衆院選/公示まであと1週間 選挙構図、めまぐるしく変化

畑氏㊧(9月28日、大船渡市で)

畑氏(9月28日、大船渡市で)

 
鈴木氏㊨(9月30日、盛岡市で)

鈴木氏(9月30日、盛岡市で)

衆院選は、10日(火)の公示まであと1週間と迫った。小選挙区の区割り改定で、気仙2市1町は本州最大となる岩手2区に組み込まれてから初の選挙。現段階で2区には、山田町出身の自民党前職で五輪担当大臣の鈴木俊一氏(64)、久慈市出身で民進党元職の畑浩治氏(54)が立候補を予定。区割り改定に加え、新党をめぐる動きで野党共闘の行き先が不透明になるなど、解散から1カ月を待たず迎える本番を間近にしながら、選挙構図はめまぐるしく変化し続けている。
 
 衆院選は平成26年12月以来。小選挙区は289議席、比例代表は176議席を争う。小選挙区の区割り改定を受け、従前に比べて小選挙区は6、比例は4、それぞれ減。県内の小選挙区は従前の4から3に減り、気仙2市1町は沿岸一帯と県北などとの新しい2区となった。
 これまでの気仙にかかる動きとしては、陸前高田から連続6選を果たしてきた民進の前職・黄川田徹氏(63)が今季限りでの勇退を表明。大船渡市出身で2期連続の比例復活当選だった自民の前職・橋本英教氏(50)は比例単独候補となる方針が固まり、鈴木、畑両氏による一騎打ちが見込まれている。
 自民、公明の与党側と、民進、共産、自由、社民の共闘野党の対決という構図が出来上がってきた中、野党共闘をめぐっては、解散前日の9月27日、小池百合子東京都知事を代表とする新党「希望の党」設立が発表されたことで、一転して先行き不透明に。
 民進はこの党へ合流する意向を見せ、立候補予定者は希望に公認申請を行うという方針を提示。しかしながら、希望と野党間では憲法改正や安全保障などにかかる考えに相違がみられ、これまで規定路線となってきた共闘の形を変える可能性も浮上している。
 この中、鈴木氏は9月30日~10月1日にかけて気仙や釜石で党支部関係者、支援者らのもとを回り、30日には盛岡市で選対会議も。「新たに4市3町が加わる。チャレンジャーのつもりで頑張らなければならない」と決意を述べた。
 現職大臣とあって選挙区入りの回数は限られるとみられ、両日の動きの中では、「選挙区に張り付いて活動できない事情もある。皆さんの力に支えられてはじめて、この厳しい選挙を乗り切ることができる」と語った。
 また、希望の党をめぐる動きについては、「流動的な状況にあるが、そういうことに左右されず、相手がどういう体制で臨もうとも、いままでやってきたことに自信を持って、正々堂々この選挙に臨んで戦い抜いていきたい」と述べた。
 一方の畑氏は、安倍晋三首相が解散を正式表明した翌日の9月26~28日にかけて気仙に足を運び、あいさつ回りを展開。黄川田氏の実質的な後継として知名度向上を図るさなか、新党合流話が持ち上がった。
 合流方針が明らかになった28日夜には、大船渡市の田村誠県議事務所で支持者らへの顔見せ機会があった。出席者たちは〝沿岸代表〟として推す意向を確認した一方、「どの立場から立候補するのか」と戸惑いの声も上げていた。
 この際、報道陣の質問に対して「県連なり党が割れない形でしっかり対応することが、少ない時間の中で考えるべきことだと思う」と語っていた畑氏。翌29日にあった民進県連の選対会議後に、希望へ公認申請することが決まった。2日現在、希望が公認するかどうかは明らかになっていない。
 県が9月1日現在でまとめた選挙人名簿登録者数は、気仙2市1町計で5万4534人(男2万6088人、女2万8446人)、2区全体では39万3773人(男18万8567人、女20万5206人)となっている。