復興支援に感謝ささげる、吉浜で新山神社式年大祭/大船渡(動画、別写真あり)

▲ みこしを乗せて巡航する漁船=根白漁港

9年ぶり 大漁旗翻る

 大船渡市三陸町吉浜に鎮座する新山神社(渡邊栄子宮司)の復興祈願式年大祭は8日、吉浜で盛大に催行された。平成20年以来9年ぶり、東日本大震災後は初めてとなる〝五年祭〟では、4組の祭組が余興を奉納した。祭りのメーンとなる海上渡御では、みこしなどを乗せた大小の漁船が、大漁旗を翻しながら吉浜湾内を巡航。これまで各方面から差し伸べられてきた復興支援の手に感謝をささげるとともに、海陸安全や大漁豊作を祈った。

 

海陸安全や大漁豊作も祈願

 

 同神社と市杵嶋姫神社、大海津見神社の3社合同で行われる式年大祭は、4年に一度行われていたが、東日本大震災後は復興工事の影響などで平成24、28年の実施を見送っていた。
 大震災から6年半が経過し、吉浜では漁港施設や防潮堤などの復興事業がほぼ完了したことから、本来の周期からは1年ずれるものの、これまでの支援への感謝を込めて9年ぶりに挙行されることとなった。
 さわやかな青空に恵まれたこの日は、朝から新山神社で例大祭を実施。神事のあと、あいさつに立った大祭委員会の中井昭樹委員長は「震災から6年半がたったが、吉浜の復興は間もなくメドが立つと感じる。きょうは平穏な暮らしができることに感謝しながら、海陸安全や大漁豊作を願いたい。全員が心を一つにして、楽しいお祭りにしよう」と呼びかけた。
 続いて、同神社近くの県道や旧吉浜小学校跡地で余興奉納。本郷、扇洞、根白、千歳の各祭組が華やかな踊りや大迫力の太鼓を披露した。
 このあと、根白漁港で海上渡御を実施。みこしや権現様、虎舞などを乗せた漁船約30隻が湾内を巡航。船団が漁港に帰ってくると、船首で虎舞や権現舞が行われる船もあり、町内外から訪れた来場者を沸かせていた。
 地元の舘下のり子さん(65)は「長いこと祭りがなかったので、本当にうれしい。本郷組に息子と孫がいるので、それを見られるのを楽しみにしている。きょうはお祭りを満喫したい」と笑顔で話していた。