大震災から6年7カ月、大船渡署が集中捜索/陸前高田(別写真あり)
平成29年10月12日付 1面

▲ 生い茂る草木をかき分けながら、慎重に捜索を進める署員たち=竹駒町
草木かき分け懸命に
東日本大震災から6年7カ月の11日、大船渡警察署(髙橋仁署長)は陸前高田市竹駒町字十日市場地内の気仙川左岸河川敷で行方不明者の集中捜索を行った。署員らは、捜索場所に生い茂る草木をかき分けながら、「帰りを待つ家族のために」と行方不明者へとつながる手がかりを懸命に捜していた。
集中捜索は、大震災月命日にあたる毎月11日前後に行われている。この日は、同署地域課と高田幹部交番の署員8人が出動した。
署員らは、海に向かって震災犠牲者に黙とうをささげたあと、捜索を開始。河川敷一帯に生い茂る草木をかき分けながら、クマデなどで土砂堆積物をかき出すなど、慎重に捜索を進めていた。
今月、同署に赴任したばかりの川島寛惟巡査(22)は「大船渡と陸前高田は特に被害が大きかったところ。行方不明者のご家族の気持ちを考えると、少しでも手がかりを見つけなければいけない。特に陸前高田はまだまだ復興には時間がかかると感じるので、被災された住民のみなさんに寄り添いながら業務していきたい」と力を込めていた。
この日の捜索は天候不順のため、午前中で終了。行方不明者につながる手がかりは見つからなかった。
県防災管理室によると、9月末現在の気仙地区の犠牲者は、大船渡市が死者340人、行方不明者79人、陸前高田市が死者1556人、行方不明者203人となっている。