郷土の味を次世代へ、きみまんじゅうなど学ぶ/大船渡で気仙の味伝承会

▲ 匠の技を学ぶ参加者ら=大船渡地区合同庁舎

 食の匠気仙地方連絡会と大船渡地方農業振興協議会による「気仙の味伝承会(大船渡地区)」は18日、大船渡市猪川町の県大船渡地区合同庁舎で開かれた。参加者が食の匠とともに郷土料理を調理し、地元の食文化に理解を深めた。
 気仙3市町を巡回する方式で開催しており、気仙で認定を受けている食の匠や、平成24、25年度に行われた気仙の味伝承セミナー修了者が味や技術を広めようと活動。食文化を担う伝承者の育成などを狙いとし、今年で3年目の取り組みとなる。
 この日は、市内から約20人が参加。いずれも食の匠で、同市日頃市町在住の佐藤紀子さんと佐藤ミキ子さんが講師を務めた。
 このうち、「かまもち」で食の匠に認定されているミキ子さんは、この日は「ごまゆべし」などの作り方を伝授。「新米を使ったら水分が多く感じたので、水をいつもより少なく」「形を整える前に少し冷ます」などポイントを伝え、参加者も匠の技を見ながら調理に励んだ。
 一方、紀子さんは認定料理の「きみまんじゅう」について指導。「ゆであげた後は、熱いうちに砂糖を加える」「丸める前にねかせることで、冷めて扱いやすくなる」などとアドバイスを送った。
 ミキ子さんは「知っていることは全部伝えたい。皆さんに覚えて帰ってもらって、それを次の人にも伝えていってほしい。若い人の中にもやってみたいという人がいるので、そういった人が参加できる機会もあれば」と伝承活動へ意欲をみせていた。
 伝承会は今後、11月に住田町、12月に陸前高田市で開催を予定している。