「すみたっ子給食」再び栄誉、地産地消給食コンで2年ぶりの全国表彰/住田町

▲ 年4回提供される「すみたっ子給食」=有住小(8月22日)

 一般財団法人都市農山漁村交流活性化機構と全国地産地消推進協議会主催の第10回「地産地消給食等メニューコンテスト」の審査結果が25日に公表され、住田町食いくプロジェクトによる「夏のすみたっ子給食」が農林水産省食料産業局長賞に輝いた。大臣賞に次ぐ栄誉で、住田からの局長賞表彰は2年ぶり。地場産物を生かしたメニューだけでなく、本年度はテレビ番組での情報発信など新たな取り組みも展開。関係者はさらなる活動充実に意欲を見せている。

 

情報発信も積極的に展開

 

 このコンテストは、給食や多数の消費者に提供される外食・弁当などにおいて、生産者との交流促進をはじめ地産地消の取り組みを伴った地場産農林水産物・食品を使ったメニューを表彰するもの。7〜8月にかけて募集し、83件が最終書面審査に残った。
 学校、社員食堂、外食弁当部門のそれぞれで、大臣賞と食料産業局長賞、審査委員長賞を選定。各部門で表彰された8団体のうち、県内では住田町食いくプロジェクトのみだった。
 町では平成27年度から、庁内の横断的な組織として食いくプロジェクト推進委員会を設置。次世代を担う子どもたちの心身の成長をはぐくむ食育推進事業の一環で、地元食の魅力発見や地場産品の利用促進につなげる「すみたっ子給食」を実施している。
 春、夏、秋、冬の年4回、町内の保育園と小中学校、県立住田高校で地場産品をふんだんに使用した統一メニューを提供。メニューは町学校給食センターや町保健福祉課、農政課、保育園などの関係機関が連携して試作・検討を行っている。
 「夏のすみたっ子給食」は8月22日に提供。献立は「清流どりの夏野菜レモンソース」「ゆうがん炒(い)り」「夏のけんちん汁」「塩こんぶご飯」などで、510食分が用意された。
 ゆうがん炒りは住田では夏の定番料理として親しまれ、ユウガン自体も便秘や生活習慣病の予防に効果がある。けんちん汁にもユウガンを加えたほか、サヤインゲンも添えて夏らしく調理した。
 県内産自給率は88%。鶏肉は塩こうじに漬けることで、時間が経過しても柔らかく味わえる工夫を施した。野菜は大きめに切って食感を残し、よくかんで食べるよう促した。
 本年度からは、家庭でも手軽につくって味わってもらおうと、町内ほぼ全ての家庭で視聴できるケーブルテレビ局「住田テレビ」を活用した料理番組がスタート。家庭や地域への普及啓発・実践にも積極的に取り組んでいる。
 すみたっ子給食は第8回のコンテストでも、今回と同じ農林水産省食料産業局長賞に選ばれた。同プロジェクトでは「さまざまな機関が連携することで、取り組みに広がりが出ている。今後も継続して取り組んでいきたい」としている。
 表彰式と事例発表は、11月4日(土)に都内で開かれる平成29年度地産地消等推進全国フォーラムで行われる。また、住田町内での「秋のすみたっ子給食」は同1日(水)に予定されている。