米崎りんご被害深刻、収穫ピーク前に落果で生産者ため息漏らす/陸前高田
平成29年10月28日付 1面
23日に気仙に最接近した超大型の台風21号の影響で、陸前高田市の特産「米崎りんご」の落果被害が深刻だ。大船渡市農協(JAおおふなと、新沼湧一組合長)によると、市内の農園の約3割で被害が出ており、ひどいところでは6割以上の実が出荷できない農園も。収穫ピークを前に被害を受けた農家は「30年以上リンゴ栽培を続けるが、こんなに落果したのは初めてだ」とため息を漏らす。
超大型の台風21号
同市米崎町佐野地区で千葉一成さん(83)と千葉文洋さん(67)が共同経営するリンゴ畑は、北風に加えて東からの風も浴び、市内でも特に大きな被害を受けた。広さ約150㌃で、「ふじ」「王林」「ジョナゴールド」の3品種約1000本を栽培していたが、6割ほどが落果したという。
27日には、市農協職員約20人が落ちた実を拾い集める作業に協力。無数の実が無残に散らばる中、傷の少ないものはジュースの加工用や市内産直のバラ売り用として出荷するため、職員らは選別しながら作業に当たった。
市農協営農経済部の佐藤忠志部長は「一生懸命育ててきた生産者を思うと、残念でならない。農協としてできる限りのサポートをするほかない」と深刻な表情で語った。
今季は夏の日照不足・低温などを受け、生育は遅めだったものの、実は昨年よりも大きく、出来栄えは上々だった。
文洋さんらは、台風21号の被害を少しでも減らそうと、ジョナゴールドの収穫日を前倒ししたが、摘み取りできたのは22日の1日のみだった。
王林は11月上旬、主力のふじは同中旬の収穫を予定しており、一つも出荷できずに被害を受けた。実がすべて落ちてしまった木もあったという。
文洋さんによると、台風による被害額は200万円ほど。落果を耐えた実の中にも傷ついているものが多く、出荷量は例年の3割程度の3㌧ほどに落ち込みそうだ。
一成さんは「共同経営して30年余りとなるが、こんなに落果したのは今回が初めて」とほぞをかみ、文洋さんは「順調に育っており、収穫を楽しみにしていた。仕方のないことだがやはり残念だ」と悔しさをにじませた。
市農協によると、管内の農産物はリンゴを中心に果樹の被害が目立った。ほぼ刈り取りが終わっている水稲は全体の5%程度で倒伏が見られるという。






