おいしさとこだわり共有、まち家世田米駅で野菜生産者招きディナー会/住田町(別写真あり)

▲ 料理や食材を囲み交流=まち家世田米駅

 住田町住民交流拠点施設・まち家世田米駅のレストラン「kerasse(ケラッセ)」で27日夜、初となる「ファーマーズキッチン~住田の農家さんを囲む晩秋の夕食交流会」が開かれた。野菜や鶏肉、豚肉などを提供する地元生産者が訪れ、料理を味わいながらおいしさにつながるこだわりなどを紹介。さらなる生産や活性化策への意欲を高めながら、交流を深めていた。
 ケラッセでは昨年春のオープン以降、地元食材を生かした料理を提供し、町内外から多くの来訪がある。これまで、シェフを務める坂東誠さん(45)が各地の畑を訪れることはあったものの、生産者をケラッセに招く機会はなかった。
 今回は「日ごろの感謝を込めて、野菜を提供してくれる住田の農家さんを交えたディナー会を」と企画。ありすポークや清流鶏、かぼちゃ、白菜、ネギなどを生産する消費者や一般住民、ケラッセの営業に携わるスタッフら約30人が参加した。
 テーブルには▽赤カブポタージュ▽白菜とありすポークベーコンのパスタ▽カボチャと清流鶏のロースト──など、住田産の食材をメーンとした料理8品が出された。テーブルに1品並ぶごとに坂東さんがマイクを握り、調理法や食材の魅力を伝えた。
 味わった生産者からは「こんなにおいしい料理になっているとは、考えもしなかった。また頑張らなければ」といった感想をはじめ、好評の声が続出。料理を楽しむだけでなく、土づくりのこだわり、シカ食害対策の苦労など、生産現場の今も伝えながら交流を深めた。
 また、会食中には「ケラッセでは、どんな野菜がほしいのか」との質問も。坂東さんは「ここでしか採れない野菜、ここに来ないと食べられない料理を出していきたい。住田らしさのアピールにつながるものを一緒に考えていきたい」と語り、協力を求めた。
 大股地区で野菜を育て、この日のメニュー用には白菜を提供した紺野宣さん(44)は「料理をつくるみなさんや消費者との直接的なつながりは、あまりない。とても良い機会だったし、これからの生産意欲にもつながる」と話していた。
 坂東さんも「以前からやりたかった企画だった。レストランを身近に感じてもらうことができたのでは」と笑顔。ケラッセでは今後も生産現場と消費者を直接結び、交流の輪を広げる活動を企画しながら、住田全体の活性化にもつなげることにしている。