傘を手に「まつり」満喫、産業・芸能・気仙スギで活気/住田町(別写真あり)

▲ 雨の中での開催となった「すみた産業まつり」=世田米

 第45回住田町文化産業まつりの産業部門「すみた産業まつり」(同まつり実行委員会主催)は29日、役場前などで行われた。雨の中での開催となったが、地元産の野菜や肉、加工品などがズラリと並び、訪れた人々を魅了。農林会館内では芸能まつりが繰り広げられたほか、同時開催の「気仙スギまつり」も好評を博した。
 今年は初めて、木造の役場新庁舎前で開会式を開催。神田謙一町長は「出店者との交流を通じて、住田の魅力を再発見してほしい」とあいさつし、木製屋台上から放たれる「五穀豊穣餅まき」で開幕を飾った。
 会場には飲食、産直、物販、軽トラ・キッチンカーの各コーナーが設けられ、合計約40の出店で来場者を歓迎。町内各生産団体が丹精込めて育てた野菜や鶏肉加工品、木工品などが並んだ。
 景品が当たるスタンプラリー抽選会や子どもたちも楽しめる「クッブでビンゴ」、アツモリソウ栽培講習会、農業委員会によるそば打ち体験試食会も開催。来場者は傘を手にゆっくりと各テントを回り、出店者との会話も楽しんでいた。
 町内の保育園、学校で出される「すみたっ子給食」のレストランも設けられ、地産地消の工夫が凝らされたメニューを提供。海外出身者研修生のブースでは、ベトナム料理のフォーを販売した。
 共催の気仙スギまつりでは、木工細工教室や樹木あてクイズ、ペレットストーブの展示などが関心を集めた。女性の参加が目立った丸太切り競争でも盛り上がりを見せた。
 今年初の試みとして、町は子どもたちに蔵の材質にふれてもらおうと土団子づくりを企画。蔵に関する相談会も開催した。
 一方、農林会館大ホールでの芸能まつりでは、大正琴や郷土芸能、民謡、舞踊、吟詠などの各団体が熱演。表千家方掬会菊田社中によるお茶会も開かれ「芸術の秋」を多彩に発信した。