内定率73.4%と好発進、気仙の来春高卒者就職/9月末現在

▲ 気仙の高卒就職戦線は内定率70%台の好スタート(写真は7月に大船渡市で開かれた高校生対象の会社説明会)

 大船渡公共職業安定所(三上元詔所長)は、管内(気仙2市1町)の平成30年3月新規高校卒業予定者に対する9月末現在の職業紹介状況をまとめた。同月から就職選考が開始され、内定率は前年同月を6・2ポイント上回る73・4%。東日本大震災以降の人手不足感が続く中、事業所の採用意欲の高さも反映して直近10年で最高値を記録する好スタートを切った。

 

 採用意欲の高さ数字に 前年6・2ポイント上回る

 

 同職安によると、気仙光陵支援学校高等部を含む5校を合わせた気仙地区内の来春高校卒業予定者560人のうち、学校や職安の紹介による就職希望者は128人(男子92人、女子36人)。就業希望地は、気仙地区内が66人、気仙以外の県内が20人、県外が42人となっている。
 新規高卒予定者を対象とした職安の求人受け付け開始日は例年6月20日だったが、今年は同1日に前倒し。同職安には9月末までに、110件275人の求人が寄せられている。前年同月と比べると23件67人の増で、震災以降顕著な若い働き手確保への動きは活発さを保っている。
 就職試験は9月16日から解禁され、各事業所が選考を開始。同月末時点で就職先が決定または内定したのは、前年同月比で4人多い94人(男子67人、女子27人)。内定率は73・4%で直近10年ではもっとも高い数字となっている。 
 同月末時点での内定率は、震災前はおおむね40%台だったが、25年からは50〜60%台で推移し、今回は70%台に到達した。同職安では「求人数が増えているとともに、採用意欲の高い事業所が早めに結果を出していることもあり、好調な出足となっている」とみており、今後も全員就職へきめ細やかな取り組みを進めることとしている。
 就職先の内訳は、気仙地区内が49人(男子30人、女子19人)、県内が14人(男子9人、女子5人)、県外が31人(男子28人、女子3人)。
 職業別にみると、製造業がもっとも多い37人(男子27人、女子10人)で、卸売・小売業22人(男子14人、女子8人)、建設業12人(いずれも男子)、宿泊・飲食サービス業9人(男子3人、女子6人)などと続く。
 震災後は、各業界で高まった復興需要のもとで新規高卒者確保に向けた動きが盛んで、全国的に「売り手市場」傾向が続く。気仙地区内でも23年度(23年3月卒業者)から、地元求人倍率が2倍を超える状況が続いており、9月末時点では4・17倍を記録。求人と求職に開きがあり、新戦力確保は事業所側にとっての課題ともなっている。