三条氏(大船渡)が受章、統計調査活動の功績で/秋の褒章
平成29年11月2日付 1面
気仙から1人
政府は、2日付で発令する平成29年秋の褒章受章者を発表した。気仙からは、三条初雄氏(81)=大船渡市日頃市町中小通=が統計調査功績で藍綬褒章を受ける。
人命救助や業務精励、産業振興、社会福祉の増進などで優れた業績を挙げた個人・団体を対象に毎年春秋に実施。今回は全国から797人、県内在住者は13人が受章する。
三条氏は日頃市町で生まれ育った。日頃市中卒業後、盛高校定時制に進学。仕事をしながら勉学に励み、昭和30年に卒業した。
同37年、26歳で統計調査員となった。夜勤もある仕事だったために、仕事明けに調査を行ったこともある。当時は、道路が舗装されていなかったため、砂利道を自転車で駆け回った。消防団にも所属しており、仕事と団活動、調査をかけもった時代もあった。
これまでに農林業センサス、県農業統計調査、国勢調査、毎月勤労統計調査、住宅・土地統計調査、就業構造基本調査などに合わせて46回従事。平成18~26年度までは大船渡市統計調査員協議会理事も務めた。
「昔は訪問先でお茶っこをのみながら世間話をし、コミュニケーションをとりながら調査していた」と懐かしむ。
15年前からは「指導員」という立場で、調査員が間違いのない調査ができるように指導もしている。
「区切りを付けようと思っている。おそらく今年で最後かな」と引退を考えており、「あっという間の55年間だった。皆さんの協力があったからこそ続けてこられた」と語った。
今月中旬に開かれる伝達式には長女の由紀枝さん(53)、次女の久美子さん(48)とともに出席する予定。