高校支援などで意見交換、神田町長就任後初開催/住田町総合教育会議

▲ 子どもたちの健全育成を見据え意見を交わした総合教育会議=住田町役場

 平成29年度第2回住田町総合教育会議は31日、町役場庁議室で開かれた。神田謙一町長就任後、初めての開催。今後の教育行政に関する基本目標の意識共有を図ったあと、住田高校支援策や少子高齢化対応などで意見を交わした。

 

 総合教育会議は首長が教育委員らを招集して開催するもので、今年5月以来の開催。この日は神田町長、多田茂教育委員長、菊池宏教育長、高橋誠治、菊池恵、畠山優子各教育委員のほか、教委職員らが出席した。
 神田町長と多田教育委員長がそれぞれあいさつし、「きたんのない意見交換を」と期待。協議では、神田町長が教育行政の基本目標「『共生・共同』『自主・自立』を基本とし、夢・希望を持ち、生きがいのある人生の礎を築くまち」を示した。
 さらに、就学前教育・子育て支援では、安心して生み育てられる環境と無理のない義務教育への移行を、豊かな感性の醸成・育成とともに進めると説明。学校教育では「確かな学力」「豊かな心」「健やかな心身」をバランスよく育成するとしている。
 委員からは、文部科学省から本年度新たに指定を受けて町内の各小中学校と住田高校が取り組んでいる「研究開発学校」が話題に。「世田米中の文化祭で中間発表を聞き、大人の方が地元の森林についてあまり知らないと気づいた。(各学校が新たな教科として取り組む計画の)地域創造学は、生徒たちが調べた内容を積極的に地域に発信することも必要では」との意見が出た。
 また、町が年間約1900万円を予算化し、給食提供や通学費助成などに生かされている住田高校支援策でも意見交換。支援策の中では、町が同校教育振興会に補助することで、生徒の海外派遣やインターネットを通じた授業も行われている。
 生徒数確保や保護者負担軽減などへの効果が大きく、継続すべきとの意見が大半を占めた。そのうえで「給食支援は、被災した地域から通う生徒たちにとっても大きな支援になってきた。ただ、学校の魅力づくりにはつながりにくくなっているのも事実。『地元で生きていく』という人材育成に、力強くあってほしい」とさらなる期待を込める出席者もみられた。
 このほか、「各事業でどのような効果が出ているかなど、使われ方の検証は必要。新たな支援はできないかも含めて考えていかなければならない」との声も。町内外の生徒たちに向けた情報発信を強調する発言も寄せられた。
 菊池教育長は研究開発学校事業にふれながら、「単に『住田に高校を残してほしい』というだけで要望しているのではない。これからの人材育成を考え、先行的に取り組んでいる。その過程を、どうぞ利用してくださいというスタンス。県内でこうした取り組みが広がっていく核になっていきたい」と語った。
 町内では小、中学校の各2校体制が続く中、少子化対応も議論に。「スポーツをはじめ、人数が少なくなることで多様な活動が制限されてしまうのは良くない」「子どもの将来を考えると『オール住田』で考える時期に来ているのでは」などの発言があった。