「かもめテラス」誕生へ、15日に待望のオープン/大船渡
平成29年11月12日付 7面

大船渡市に本社があるさいとう製菓㈱(齊藤俊満代表取締役社長)の新店舗「かもめテラス」は15日(水)、大船渡町字茶屋前のJR大船渡駅東側(津波復興拠点整備事業区域内)にオープンする。東日本大震災で被災した「三陸菓匠さいとう」総本店の本設店舗となり、和洋菓子、パン、餅菓子を販売し、菓子工場、カフェスペース、体験用キッチンなども併設。憩いと交流、観光の拠点として、にぎわい創出や地域活性化などが図られることが期待される。
憩いと交流 観光の拠点に、さいとう製菓の新店舗
さいとう製菓は6年8カ月前の津波で、本社、和菓子工場、総本店を含む沿岸部の5店舗を流失。その後、浸水を免れた赤崎町の中井工場に本社機能を移転し、菓子製造を再開。総本店は同年4月〜先月末まで、大船渡町字富沢地内の仮店舗で営業してきた。
かもめテラスは同社初の「菓子工場併設型旗艦店」として、今年3月に着工。名称は、かつて地域住民のコミュニケーションの場であった縁側から着想し、「訪れたお客さまを菓子でもてなし、まちの縁側として親しんでもらいたい」との思いから付けた。
敷地面積は1424平方㍍で、施設は鉄骨造地上1階建て(建築面積1374・46平方㍍、法延床面積1227・17平方㍍)。館内には、▽三陸菓匠さいとう(和菓子)▽Le Pommier(ル・ポミエ、洋菓子)▽COCOA(ここあ、パン工房)▽齊藤餅屋(餅菓子など)──の4ブランドが入る。
このうち、COCOAは気仙で初めて、齊藤餅屋はかもめテラス限定の出店。齊藤餅屋は、同社の始まりとして昭和8〜12年に大福などを製造販売していた店で、〝原点回帰〟として設けた。大福やゆべし、焼き団子などを扱い、職人による製造実演も行う。
三陸菓匠さいとうでは、総本店限定の新商品「光の朝」も並ぶ。しっとりとした生地であんを包んだ乳菓で、「たま糖」と「ミルク」の2種類を用意。併設した工場で製造しており、その様子をガラス越しに見学できる。
館内には、縁側をイメージしたイートイン&カフェスペース「えんがわカフェ」を設置。無料のドリンクコーナーも用意し、店内で購入した商品が味わえる。
同社の銘菓「かもめの玉子」を模したキッズスペース「えがおの巣」には、たまごや菓子にちなんだ絵本、おもちゃを常設し、子どもたちを歓迎する。
「かもめキッチン」では、有料で世界に一つだけのかもめの玉子が作れる「DECOかもめの玉子体験」や、月1回の「お菓子教室」を開催。「かもめギャラリー」は芸術・文化活動発表の場として、市民らに開放する。
齊藤社長(48)は、「初めてのファクトリーショップで、これまでにない内容を盛り込んでいる。多くの方々に来て楽しんでいただければ」と話している。
オープン当日の15日は、午前8時30分から餅まきとチンドン寺町一座によるオープニングセレモニーを実施。商品を購入した先着1000人には、「光の朝」をプレゼントする。午後1時30分からは、餅つき振る舞いも予定している。
同日〜19日(日)のオープニングセールでは、DECOかもめの玉子体験、商品を購入した先着500人への紅白かもめの玉子プレゼント(16〜19日)を行う。
同店の営業時間は午前9時〜午後7時で、定休日は元日のみ。問い合わせはフリーダイヤル(0120・311・514)へ。