役場前に「住田新拠点」、有住支店と統合のJAおおふなと世田米支店開店/住田町(別写真あり)

▲ テープカットなどが行われた開店式典=世田米

 大船渡市農協(JAおおふなと、新沼湧一組合長)の世田米支店・世田米ふれあいセンター開店式典は13日、住田町世田米川向の現地で行われた。有住支店の統廃合やセンター移設に伴う新拠点で、初日から多くの地域住民が訪れた。有住に加え、盛、日頃市、綾里各支店も廃止となり、同日から8支店体制が始まった。
 開店式典には、農協や施工業者、町関係者ら約40人が出席。新沼組合長は「期待通りの支店が完成した」として、設計・監理を担った㈱クマヒラ一級建築士事務所(東京都)、施工を担った㈱佐賀組をはじめとする建設工事関連業者の尽力に敬意を示した。
 さらに、店舗統廃合に対して財政支援を行ったJA岩手県信連や、各種復興支援を受けてきた農林中央金庫にも感謝。
 そのうえで「住田町民の皆さんから『愛される・親しまれる・信頼される支店』を目指し、役職員一丸となって取り組みたい」と語った。
 来賓の神田謙一町長は「住民の利便性は一層高まると確信している」とあいさつ。引き続き、関係者によるテープカットが行われ、新拠点の門出を祝った。
 今回の新築整備は、JAおおふなとが進める「第2次支店再編基本計画」に基づく世田米・有住支店の統廃合によるもの。これまで世田米商店街沿いにあった世田米支店を移転新築し、さらに赤畑地内にあった世田米ふれあいセンターを一体的に設けることで機能集約を図った。
 新施設は国道107号沿いで、町役場前に構える。主に金融・共済サービスを担う世田米支店(佐藤孝哉支店長)は鉄骨造2階建て。農産物の集出荷や生活・生産資材の販売に対応する世田米ふれあいセンター(及川光郎センター長)は鉄骨造平屋建て。
 統廃合により、地域密着型渉外体制の充実や提案・相談活動強化、金融移動店舗車の巡回運行、ATMの設置、生産資材などの配送強化などを図る方針。支店内では受付待ちの順番が分かるカード発行を行うほか、年金宅配サービス強化も進める。
 再編計画により、盛、日頃市、綾里、有住各支店は、今月10日で閉店。このうち盛、日頃市両支店は猪川支店が、綾里支店は三陸支店(越喜来)が継承店舗となる。
 今後、日頃市、有住、綾里の各旧支店前には、金融移動店舗車によるサービスが行われる。貯金の入出金(キャッシュカードは不可、現金払い戻し限度額は30万円)や定期貯金記帳、共済掛金や県税・市税、水道料の出納、振り込み(午後2時受け付け分まで)、年金・融資相談などに応じる。
 日頃市、有住の今月の運行は14、21、28日の各火曜日を予定。利用時間は有住が午前9~11時、日頃市が午後1~3時。綾里は17、24日の各金曜日に運行し、利用時間は午前9~11時。同様のサービスは立根、吉浜、広田各地区ではすでに実施している。