閉校前の栄冠 喜び一層、バレーボールで気仙女子33年ぶりV/県中学校新人大会後期日程・気仙勢の結果(別写真あり)
平成29年11月22日付 6面

県中学校新人大会(県中体連など主催)は18、19の両日、県内各地で後期日程の9競技が行われた。バレーボール女子では、本年度末で閉校する陸前高田市の気仙が33年ぶり4度目の優勝を飾った。柔道では、女子個人70㌔級で熊谷李美選手(越喜来2年)が準優勝した。
熊谷選手(越喜来)柔道女子準V
大会後期競技のうち、気仙勢はバレーボール、バスケットボール、卓球、柔道、剣道、バドミントンの6競技に挑んだ。
このうち、バレーボール女子は32チームが出場し、トーナメントで競い合った。
気仙は、1回戦から決勝までの5試合すべてストレート勝ち。選手13人のうち、170㌢台がゼロ、160㌢台が2人と体格は決して恵まれていないが、2年生7人を中心としたチーム伝統の粘り強い守備とスピードある攻撃で相手を寄せつけなかった。
決勝後、大会で優勝した時には恒例となっている校歌斉唱も。応援に駆けつけた父母らも一緒に歌声を響かせ、全員で33年ぶりに手にした栄冠の喜びに浸った。
来春に高田一中との統合を控え、本年度は〝気中〟として大会に臨むことができる最後の一年。震災で校舎が被災し、利用する旧矢作中校舎にはスクールバスで通うため、練習時間が限られる中、「気中の名前を大会史に刻もう」と選手や指導陣、父母会が結束。10月の東北親善大会優勝をはじめ、県新人大会までに行われた各種大会でも結果を残し続けた。
優秀選手賞にも選ばれた武藏美海主将(2年)は「気仙中としての最後の県大会で優勝できてうれしい。今まで支えてくれた方々に恩返しするためにも、これからも気仙中として最後まで頑張りたい」と思いを新たにする。
一方、柔道では女子個人70㌔級で熊谷選手が、決勝で延長戦の末に優勢負けを喫したものの準優勝と健闘した。
このほか、同競技で気仙勢は男子個人で3人が、女子個人で2人が、女子団体で大船渡一がそれぞれベスト4となった。
バドミントンでは女子団体で赤崎が、女子個人ダブルスで志田遥・長山紗千ペア(赤崎)が3位となった。
卓球の女子団体では大船渡一が、剣道の女子団体では高田東が4強入りした。
気仙勢の主な結果次の通り(個人競技は上位者のみ)。
バレーボール
【男子】
▽1回戦
大船渡一2─1江刺一
▽2回戦
下 橋2─0大船渡一
【女子】(「世・日・越」は「世田米・日頃市・越喜来」)
▽1回戦
高 田 東2─0下小路
世・日・越2─1厨 川
気 仙2─0南 城
▽2回戦
雫 石2─0高田東
世・日・越2─1花巻北
気 仙2─0遠 野
▽準々決勝
乙 部2─1世・日・越
気 仙2─0西 根
▽準決勝
気 仙2─0胆 沢
▽決勝
気 仙 2 ( 25—17 )0 上 野
( 25—8 )
▽優秀選手賞=武藏美海(気仙)菅野愛美(同)
※陸前高田市立気仙中学校▽監督=▽監督=佐々木伸一▽コーチ=佐々木亮輔、千葉幹子、井上翔▽選手=武藏美海(主将)、千葉南海、荒木夏姫、千葉美瑠、佐々木咲良、熊谷七虹華、鈴木愛実、中村真緒、菅野愛美、熊谷真伶、小泉舞桜、小泉佳詩乃、菅野未羽
バスケットボール
【男子】
▽1回戦
浄法寺68─42世田米
【女子】
▽1回戦
山 田80─43高田一
卓球
【男子】
◆団体
▽1回戦
矢巾北3─1大船渡
大船渡一3─2沼宮内
▽2回戦
大船渡一3─0江刺一
▽準々決勝
石鳥谷3─0大船渡一
【女子】
◆団体
▽1回戦
大 東3─0高田東
大船渡一3─1上 田
前 沢3─1高田一
▽2回戦
大船渡一3─1種 市
▽準々決勝
大船渡一3─0金ケ崎
▽準決勝
大 東3─0大船渡一
柔道
【男子】
◆団体
▽1回戦
高田一3─2巻 堀
▽2回戦
宮古西3─2高田一
◆個人
▽55㌔級準決勝
小屋畑公太 大外返し 佐藤希空
(長 内) (高田一)
▽66㌔級準決勝
千田淳貴 優勢 土屋琉空
(水 沢) (高田一)
岩沼唯翔 優勢 千葉蒼竜
(花 泉) (大船渡一)
▽90㌔級準決勝
伊藤大峰 横四方固め 熊谷恒汰
(大迫) (越喜来)
【女子】
◆団体
▽1回戦
大船渡一 内容勝ち 見前南
大船渡 不戦勝 野 田
▽2回戦
大船渡一2─1東 和
山 田2─0大船渡
▽準々決勝
大船渡一2─1千 厩
▽準決勝
長 内2─0大船渡一
◆個人
▽40㌔級準決勝
中島羽南 けさ固め 和田麻美
(花 巻) (大船渡)
▽48㌔級準決勝
金子紗来 優勢 坂本いと
(大 宮)(延長)(大船渡)
▽70㌔級準決勝
熊谷李美 けさ固め 千葉華月
(越喜来) (見前南)
▽決勝
千葉むつみ 優勢 熊 谷
(北 上)(延長)
剣道
【女子】
◆団体
▽決勝トーナメント1回戦
高田東1─1上 田
※代表戦で高田東が勝利
▽準々決勝
高田東1─1釜 石
※代表戦で高田東が勝利
▽準決勝
花 巻3─1高田東
バドミントン
【女子】
◆団体
▽2回戦
赤 崎2─0厨 川
▽3回戦
赤 崎2─0江刺東
▽準々決勝
赤 崎2─1東 和
▽準決勝
見前南2─1赤 崎
▽シード順位決定戦
赤 崎2─0矢 沢
◆個人ダブルス
▽準決勝
吉田愛梨 志田 遥
鈴木蒼花2─1長山紗千
(見前南) (赤 崎)
▽シード順位決定戦
志 田 遠藤鈴音
・ 2─0菊池爽椰
長 山 (和賀西)
気仙女子が市長に優勝報告

戸羽市長に優勝報告した(左から)武藏主将、荒木部長、千葉副主将=陸前高田市役所
県中学校新人大会バレーボールを制した陸前高田市の気仙中学校女子バレーボール部(武藏美海主将、部員13人)は21日、戸羽太市長を表敬訪問し、優勝を報告した。
市役所を訪れたのは、同校の熊谷佳美校長や武藏主将(2年)、千葉南海副主将(同)、荒木夏姫部長(同)、同部の佐々木伸一監督。市教委の金賢治教育長、市議会の伊藤明彦議長を訪ねて祝福を受けたあと、戸羽市長と面会した。
戸羽市長は「皆さんの頑張りは、市民の励みにもなる。これからバレーボールを続けるうえでも大きな自信となる結果だ」とたたえた。来年春には高田一中と統合を控えており、「来年度は新たな仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し、さらに上を目指してほしい。『世界の陸前高田』と言われるぐらいの活躍を期待している」と激励した。
千葉副主将は「県中総体でベスト8止まりだった悔しさをバネに、チーム全員でつかんだ優勝」と胸を張り、荒木部長は「練習を支えてくれた父母会や応援してくれた地域の人たちに恩返しできて良かった」と話していた。