過疎地域自立促進計画案示す、市議会全員協議会で/陸前高田

▲ 被災者の住宅再建等で減少した樹園地の再整備なども計画案に盛り込まれた(写真は資料)

 陸前高田市議会全員協議会は21日、議場で開かれ、当局から「陸前高田市過疎地域自立促進計画(案)」が示された。人口減が進む市の概況と、今後の社会経済的発展の方向を踏まえた対策を産業や保健福祉、医療など分野ごとに示したもので、農業対策では生産率向上のための担い手集約や果樹の新植、樹園地の造成推進などが盛り込まれた。

 

 現況と対策など盛り込む、当局が概要を説明

 

 「過疎地域自立促進計画」は、過疎地域が有する地域資源を最大限活用して地域の自給力を高め、住民が誇りと愛着を持つことのできる地域社会を実現するため、総務省が策定を求めるもの。本県では平成28年度に指定を受けた同市を含め、24市町村が「過疎地域」に指定されている。
 市はこれを受け、平成29~32年度の計画案を作成。12月議会に提案するものとして、この日は企画政策課の村上知幸課長が同案の概要を説明した。
 案では、同市の過疎化の状況、人口と産業の推移、行財政などに関する概況にふれたあと、「目指すべき将来像」として、市震災復興計画にも掲げる「東日本大震災の教訓に学び、防災・減災に取り組むとともに、地域コミュニティーを再生し、協働の精神を生かした復興まちづくり」をベースとした基本方針を示した。
 そのうえで▽産業▽交通通信体系の整備▽生活環境▽高齢者等の保健・福祉の向上および増進▽医療の確保▽教育振興▽地域文化振興▽集落の整備──の各項目について、現況と問題点、その対策、事業計画、公共施設等総合管理計画との整合について記している。
 このうち、農業への対策としては、生産率向上のための担い手集約、就農相談の継続、「農業次世代人材投資資金」の活用による自立支援などのほか、「果樹産地化推進事業」による果樹の新植や樹園地の造成推進などを挙げた。
 保健・福祉の向上および増進に関しては、現在展開されている「はまって、かだって運動」のように、高齢者をはじめとした住民の「居場所づくり」を推進すること、高台移転する公立保育所に子育て相談支援センターや放課後児童クラブを併設し、子育て世代の定住促進につなげるなど、少子高齢化を見据えた施策を盛り込んだ。
 この日は、会計検査院が今月9日までに公表した28年度決算検査報告で、24~28年度に実施した市の復興事業に充てられた復興交付金のうち、約6億926万円の使用が不当と指摘され、震災復興特別交付税およそ1億5233万円も過大交付とされた件について報告。
 再発防止のための改善策として、総務部の佐藤伯一次長は、「担当職員への制度の周知および説明会を開催し、チェック体制の徹底を図る」などとし、指摘された事業については「事業実施前に正規の手続きを行っていれば、復興交付金事業の対象となると考えており、復興交付金を充当する方向で国交省と協議を進めている」と説明した。
 また、東日本大震災の行方不明者捜索活動に関し、民生部地域福祉課の細谷勇次課長が、高田町を流れる「川原川」のうち、古川沼より下流側の水際・水中工事において、大船渡土木センターが岩手県警による捜索活動へ協力することも報告。
 協力内容として、①工事において仮設鋼矢板による仮締切排水を行う際、その場を警察が捜索できるように場所を提供。あるいは表土の掘削、運搬、仮置きを行い、警察が可能な限り捜索できるようにする②仮締切排水を行わずに埋め立て等の工事を行う際には、工事支障物の調査(潜水等)を行い、遺留物が確認された場合は警察へ報告する──を挙げた。
 工事は今年12月以降、橋梁工事で①または②を、川原川護岸工事と気仙川水門工事で①を、高田松原復興祈念公園の造成工事で②を実施するとした。
 また、入所申し込みが少なく、29年度において休所の措置が取られた矢作保育所について、当局からは「二又・生出地区の児童数増加が見込めないことから、30年度も引き続き休所する」と説明があった。