ギークハウスでシカ用囲いわなを試作、県内外から体験者/大船渡(別写真あり)

▲ シカ用の囲いわなを試作する参加者たち=日頃市町

 大船渡市日頃市町のギークハウス岩手三陸大船渡は25、26の両日、同ハウスなどで「囲いわな制作イベント」を開催した。地域課題の一つであるシカ被害対策を体験メニュー化し、県内外からの参加者らがアイデアを出し合いながら囲いわなの試作に取り組んだ。
 ギークハウスは平成27年、総務省のふるさとテレワーク実証事業の一環で、IT技術者の地域交流やお試し移住などの拠点としてオープンしたシェアハウス。直接の運営は、同市の地域活性化総合研究所が担っている。
 今回は市外から人を呼び、地域課題への対策を検討、体験するメニューとして、全国的にも関心が高い鳥獣被害対策をテーマにした新プロジェクトを企画。シカの猟期に合わせて開くこととし、囲いわな制作イベントはその第1弾となった。
 市内外から12人が参加。初日は盛町の大船渡テレワークセンターでワークショップを行い、参加者同士で知識やアイデアを出し合いながら有効な囲いわなのあり方を探った。
 囲いわなは、複数の支柱を立てて網などで囲んだ大きなサイズのわな。常設してシカやイノシシ、ウサギなどの大量捕獲に用いる。
 参加者らはワークショップ後、単管パイプや網などの材料をそろえ、同ハウスの庭で組み立て。2日目も作業を続け、縦3㍍、横6㍍、高さ2㍍の囲いわなをつくった。
 ハウス周辺ではよくシカが出没するといい、今後はわなの中にえさを置き、実際にシカが入るのかを確認。当面はえさでシカを招き入れ、わなになれさせていく。わなの近くには監視カメラを設置し、参加者もインターネットから経過を見られるようにする。
 合わせて、囲いわなによる捕獲ができるよう、市や市猟友会といった関係機関と調整。捕獲が可能となったのち、実際に稼働する。プロジェクトではほかに、捕獲後の解体方法などもテーマに開催していく計画だ。
 一関市から参加した野田武寛さん(28)は「今年狩猟免許を取りたいと思っており、わな猟にも興味があって参加した。試行錯誤しながら取り組むところが、大変面白い。今後もぜひ参加していきたい」と話していた。