ILC誘致促進へ一層力を、企画政策部に「推進室」 /大船渡市
平成29年12月2日付 1面

大船渡市は国際リニアコライダー(ILC)の誘致促進や建設、稼働などによる波及効果の拡大に向け、1日付で企画政策部内に「ILC推進室」を新設した。県内の沿岸自治体では初めてとなり、職員8人体制で大船渡港の活用をはじめ市民意識の醸成、関係機関と連携した取り組みなどに一層力を入れていく。
県内沿岸自治体では初
ILCは、世界最先端の素粒子研究施設。国内の建設候補地には岩手、宮城両県にまたがる北上山地が挙がっており、実現すれば巨大な実験装置が建設され、世界各国から研究者や技術者らが集まることとなる。
さらに、気仙を含む周辺地域にも経済面や国際交流、学術振興などでの効果が期待される。大船渡市内では、民間による誘致促進集会や勉強会などの開催、市議会の誘致推進議員連盟設立など、誘致を目指す機運が高まっている。
こうした中、市も東北ILC推進協議会に加盟し、専門家による講演会の開催、誘致促進や建設などに向けた大船渡港の活用、道路整備といった要望活動などを展開。庁内体制を明確化し、関連する取り組みを一層推進しようと「ILC推進室」を設置することとなった。
企画政策部企画調整課前では看板設置のセレモニーが行われ、戸田公明市長や同室職員らが出席。戸田市長と室長兼務の木川田大典部長が、室名を記した木製の看板を掲げた。
戸田市長は「推進室新設を契機に、一層活動を強化していきたい。さらには誘致された場合の大船渡港の活用など、総合的にILCが及ぼす影響を研究、検討し、施策を立案、実行してほしい」と訓示した。
同室は木川田室長のほか、企画調整課職員4人と商工港湾部企業立地港湾課職員3人が兼務する形で構成。ILC誘致促進にかかる市民の意識醸成や高揚、要望活動、ILCに関連する社会資本の整備や活用、産業振興、関係者の受け入れにかかる環境整備などにあたる。
具体的には、▽ILCの誘致、建設、稼働等にかかる状況を踏まえた「ILCと共生するまちづくりビジョン」の策定▽ILCの建設等における「大船渡港の活用および関連施設整備プラン」の策定▽ILCの誘致促進にかかる意識啓発事業の実施──などの事業に取り組む。
異動発令を受けた職員は次の通り。
【部長級】
▽ILC推進室長(企画政策部長兼務)木川田大典
【課長級】
▽同室次長(同部企画調整課長兼務)新沼徹
【課長補佐級】
▽同室主幹(同部同課長補佐兼務)近江信敏▽同同(商工港湾部企業立地港湾課長補佐兼務)炭釜秀一
【係長級】
▽同室係長(企画政策部企画調整課係長兼務)菊地正展▽同同(商工港湾部企業立地港湾課係長兼務)大和田智
【主任級】
▽同室主任(企画政策部企画調整課主任兼務)鈴木亨▽同同(商工港湾部企業立地港湾課主任兼務)新沼圭史郎