寄付の使い道パンフに、〝納税者〟に送付し好評/陸前高田

▲ リームプロジェクトが寄付者らに送付したパンフレット

 陸前高田市の「ふるさと納税(がんばっぺし応援寄附金)」事業を請け負う一般社団法人ドリームプロジェクト(関欣哉代表理事)は本年度、同市への寄付が市政にどう役立てられているかについて紹介したパンフレットを作成した。今月上旬、昨年度の寄付者に送付したところ「また陸前高田へ寄付したいと思った」といった納得の声が寄せられるなど、〝納税〟の意識高揚にも効果を見せている。

 

ドリームプロジェクト作成、産業振興への活用など明示

 

 同市は平成27年、復興関連以外の一般事業に対する寄付を募るため、震災で休止していたふるさと納税を再開。市内で生産された農林水産物や加工品等が返礼品となることから、第1次産業、商工業活性化の一助となっているほか、梱包、発送作業は就労継続支援B型事業所である同市のあすなろホームと大船渡市の@かたつむりが担い、陸前高田が目指す「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」の推進にも寄与する。
 28年度の寄付総額は4億2000万円を達成。29年度はこれを、子ども支援、高齢者・障害者支援、農林水産業・商工業等の振興、移住・定住促進、環境美化、コミュニティー活動・NPO団体等の支援、文化財保護といった施策に活用している。
 ドリームプロジェクトはこうした使い道を〝納税者〟や市民らへ明確に示そうと、本年度初めて「寄附のつかいみち」としてパンフレットを作成。先月、ヤフー㈱本社(東京都千代田区)で行われた「陸前高田感謝祭」で、同市をサポートする企業と関係者、首都圏在住の一般寄付者らにも配布したうえで、市企画政策課の村上知幸課長が取り組み内容を説明するなどし、支援に対する感謝を伝えた。
 今月上旬には、あすなろホームの利用者らが、29年の返礼品カタログ、同法人の取り組みを説明した冊子とともに、同パンフレットを寄付者らへ送付。本年度は14日現在、およそ2億3000万円が寄付されているが、手続きの際に記入する必要事項の備考欄には「使い道を報告してくれてありがとう」「真摯(しんし)な対応で、また陸前高田へ寄付したいと思った」といったコメントも寄せられているという。
 パンフレットではまず、「広田湾産イシカゲ貝のPRポスター作製」「地元高校による商品づくりへの支援」について紹介。日本料理人・大田忠道さん協力のもと、県立高田高校海洋システム科の生徒が、広田湾産イシカゲ貝とウニの缶詰「夢貝かぜ」を開発したことを記している。
 さらに、「たかたのゆめ推進事業」や、「果樹産地化推進事業」としてリンゴやユズなどの生産振興に役立てられていることなども、寄付の使い道と併せてPR。同法人の吉田健太さん(37)は「寄付していただいたおかげで産業が活性化し、よりよいものを返礼品としてお贈りすることができれば、『また陸前高田に』と思ってもらえる。そういう循環が生めれば」という。
 同市のふるさと納税寄付者には、「被災した陸前高田を応援したい」という気持ちが強い人も多く、返礼品に同封している「応援メッセージはがき」の返送率も高い。それらには商品そのものをたたえる声、「地域の復興を願っている」という言葉のほか、丁寧な梱包や同封されるパンフレットなどに対して「心遣いが素晴らしい」という評価も寄せられている。
 吉田さんは「〝納税者〟の中にはリピーターも多い。しっかりと使い道をお示しし、丁寧に対応していくことは、さらなるファンの獲得にもつながると思う」と話していた。