県内唯一の入賞果たす、高田小の菅原さん/アイデア貯金箱コンクール

▲ 県内唯一の入賞を果たした高田小の菅原さん

菅原さんの作品「高田ふっこうちゅう」

 ㈱ゆうちょ銀行が主催する「第42回ゆうちょアイデア貯金箱コンクール」がこのほど行われ、陸前高田市立高田小学校の菅原由衣さん(2年)の作品「高田ふっこうちゅう」が最終審査で「すてきなデザイン・アイデア賞」に輝き、県内で唯一の入賞を果たした。忙しい習い事の合間を縫って完成させたという菅原さん。入賞の知らせに「びっくりした。入賞できないと思っていたので、良かったです」と喜ぶ。
 同コンクールは、貯金箱の製作を通じて子どもたちの造形的な想像力を伸ばすとともに、貯金に対する関心を持ってもらうことを目的としている。今回のコンクールには、全国1万1026校の小学校から77万人以上の児童が作品を出品。本県からは36校の182人が出品した。
 1次審査を通過した240点について今月3日に最終審査が行われた結果、21人が「文部科学大臣賞」や「ゆうちょ銀行賞」といった上位賞に選ばれ、菅原さん含む219人が「すてきなデザイン・アイデア賞」を受けることとなった。
 菅原さんの「高田ふっこうちゅう」は、タイトル通り陸前高田市の復興工事の様子を表現した作品。大きな夕日と奇跡の一本松、重機や盛り土を背景に、海上を飛ぶカモメをデザインした。
 このカモメの下には台が取り付けられており、ここにお金を置くとその重さでカモメが一回転。カモメが見えなくなると、それに代わって海の中から虹が出てくる仕掛けになっている。
 バレエやバイオリンなど8種類の習い事をこなす菅原さん。忙しい毎日を過ごしながら、1週間ほどかけてコツコツと作り上げた。カモメの仕掛けが特に難しかったが、母親にアドバイスをもらったり、どうすれば上手に回転するか一緒に考えたりして、納得のいく作品に仕上げた。
 最初は復興とは関係のない作品にしようと考えていたが、「陸前高田に住んでいるのだから、陸前高田が復興を頑張っていることをいろんな人に伝えよう」と方針を転換。「もし陸前高田の復興が終わったら、応援してくれている人たちに来てもらいたい」と期待していた。