架空請求の予兆急増、メールやはがきで/気仙

▲ 実際に送られてきたはがきの文言

一人で悩まず、相談を

 

 今年11月ごろから、気仙で架空請求詐欺の予兆事案が頻発している。登録料金や動画閲覧料金に未払いがあるとして、「連絡がない場合は法的措置をとる」などという内容のショートメールやはがきが送られてくるもので、大船渡警察署にはこれらに関する相談が多く寄せられている。同署では「身に覚えがない請求には連絡しないでほしい」と注意喚起している。
 頻発している架空請求詐欺の予兆事案は、大きく分けて二つ。「アマゾンマーケティングサービス」「ヤフーサポートセンター」などと、大手インターネットサイトを運用している企業の名前をかたり、「登録料未納料金がある」または「動画閲覧未納料金がある」として、「連絡が無い場合は法的措置をとる」などという内容のショートメールが届くもの。

ショートメールに送られてきた例

 現金ではなく、名前を使った大手企業が発行している電子ギフト券での支払いを求め、信ぴょう性を高めるなど、手口も巧妙化しているという。
 もう一つは、「民事訴訟管理センター」などと称したところから「総合消費料金の契約会社と運営会社から訴状申し入れされた」などというはがきが届くもの。いずれの事案も11月ごろから同署への相談が急増した。
 これらのショートメールやはがきに掲載された電話番号に連絡すると、住所や氏名などの個人情報が聞き出されたうえ、解約料などと称して数十万円単位の金銭を要求される。また、一度でも従うと、「他でも未納料金が発生していた」などと重ねて解約料などを要求されるという。
 犯人グループは、手当たり次第にメールやはがきを送っている可能性が高いとみられるが、受け取った住民の中には「法的措置」や「裁判」の文言に不安を覚え、記載された電話番号に連絡してしまう人もいる状況だ。
 同署では、この事態を受け、25日にも管内約460事業所に署長書簡を送り、注意喚起を行うという。また、「メールやはがきが送られてきた場合は、一人で悩まず、連絡する前に家族や警察に相談を」と呼びかけている。