気仙の担い手らを表彰、高田高校の事例発表も/いわて農林水産躍進大会

佐藤道太さん

岩脇洋一さん

 県と、いわて農林水産振興協議会(会長・達増拓也知事)主催の平成29年度いわて農林水産躍進大会はこのほど、盛岡市民文化ホール大ホールで開かれた。気仙からは、農林水産業表彰で1個人、「担い手」部門で1個人1夫妻、木材優良施設で1施設が受賞。高田高校海洋システム科による事例発表も行われた。

「担い手賞」に輝いた大和田さん夫妻

 

 同大会は、意欲ある担い手の育成と地域の特性を生かした産地づくりを推進するとともに、活力と潤いにあふれた地域づくり活動、生産者の経営意欲喚起を目的に毎年開催。
 県農林水産業表彰、同協議会会長表彰(明日を拓く担い手賞、意欲ある担い手賞、個性ある「産地づくり」賞、活力とうるおいにあふれた「むらづくり」賞)、いわて中山間賞など計6部門で表彰が行われた。
 県農林水産業表彰では、岩脇洋一さん(79)=大船渡市末崎町=が受賞。21年から県信用漁協組合連合会理事、22年からは同会副会長理事、26年からは同会代表理事会長として運営に尽力。大船渡市漁協組合長でもあり、東日本大震災で被災した地域漁業・経済の早期復旧・復興でも先導役を務めている。

木材利用優良施設に選ばれた陸前高田市森林組合事務所

 いわて農林水産振興協議会表彰では、佐藤道太さん(33)=住田町下有住=が「明日を拓く担い手賞」に輝いた。下有住、上有住の農地を借りるなどして、水稲5㌶、畑1㌶を手がける。
 遊休農地活用に貢献し、今年は地元産品の発信を見据えた合同会社も設立。「個人では、10㌶ぐらいまでは増やしたいと考えている。次の世代につながる環境づくりを」と、今後を見据える。
 「意欲ある担い手賞」では、大和田信哉さん(62)晴子さん(60)夫妻=陸前高田市広田町=が受賞。信哉さんは、平成3年から実家の広田町大陽で父が始めた養殖業に従事。現在はカキとホヤの養殖を手がけ、広田湾漁協広田支所内でトップクラスの養殖施設の台数を管理している。
 高田町出身の晴子さんは24歳の時に結婚し、それまで経験の無かった浜仕事を一から学んだ。長男・光晴さん(36)も後継者として仕事に当たっており、晴子さんは「息子が一人前になるまでその力になれれば」と意欲。
 信哉さんは「栄えある賞をいただき、改めて漁業、養殖業の発展へ自分のできることを考えるようになった。体が丈夫な限りは仕事を頑張っていく」と、気を引き締める。
 いわて木材利用優良施設優秀賞には、陸前高田市森林組合事務所(竹駒町)が選ばれた。施主は同組合(菅野勝郎代表理事組合長)で、設計は㈱結設計、施工は㈱リンデンバウム遠野。昨年6月に着工し、今年2月に開所式が行われた。
 大会ではこのほか、県立高田高海洋システム科3年の山﨑正裕君、吉岡柊真君、熊谷優輝君の3人による「水産業と地域の活性化を目指して!~陸前高田の向かい風~」の事例発表も。特産品のエゾイシカゲ貝を生かした炊き込み飯用の缶詰めづくりに取り組み、市ふるさと納税の返礼品にもなった取り組みを発信した。