来季の豊漁に期待込め、魚市場が年内最終営業/大船渡
平成29年12月30日付 7面

大船渡魚市場㈱(千葉隆美社長)は29日、年内の営業を終了した。今年はサンマが3年連続で不漁に見舞われ、定置網の秋サケも低調に推移するなど水産業界にとって厳しいシーズンとなった。年内最終営業日のこの日、関係者らは春のイサダ漁をはじめ、来季の各魚種の豊漁に期待を込めて業務に当たり、一年を締めくくった。
サバなど約7㌧水揚げ
同日は、定置網のサバなど合わせて約7㌧が水揚げされた。年末を迎えた大船渡市魚市場構内では、日が昇りきる前から水揚げ作業が始まり、場内には職員や買い受け人による競りなどの威勢のいい声が響いた。
今年は、サンマや秋サケの漁模様に注目が集まる一年となった。全国さんま棒受網漁業協同組合が公表した11月末現在の平成28・29年対比サンマ水揚げ状況によると、大船渡市魚市場は数量1万226㌧で前年同期比25%減、金額は28億4555万円で同1%増。数量・金額ともに本州1位を維持していたが、水揚げは不振を極めた。
沿岸定置網の主力・秋サケは県全体で不漁が続く。県がまとめた秋サケ漁獲速報(20日現在)によると、本県の漁獲量は定置網が5288㌧で前年比20%減。同魚市場への水揚げ量は、秋サケの最盛期を迎えていた今月7日現在で551㌧となっており、記録的な不漁の昨年は上回ったものの低水準で推移した。
今月28日現在までの同魚市場への水揚げは、4月からの累計で数量が3万441㌧、金額(税込み)が62億306万7000円。数量は昨年29日時点と比べて約2000㌧下回っているが、金額は単価が上がっていることもあって10億円ほど上回っている。
大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「サンマは3年連続の不漁で通常年の半分、サケも大きく減少した。これらが取れていたら経済の活性化も見込まれただけに残念」と、今シーズンを振り返りながら、来年の好漁を願っていた。
年明けの営業は4日(木)から。営業開始にあたり、午前7時30分から恒例の初売り手締め式が行われる。