今季も水揚げ振るわず、大船渡は1万1088㌧/サンマ最終実績

▲ 3シーズン連続で不漁に見舞われたサンマ=大船渡市魚市場

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は、平成28年・29年の対比サンマ水揚げ状況(12月31日現在、最終値)を発表した。大船渡市魚市場への水揚げは数量・金額ともに本州1位で、北海道の花咲港に次ぐ全国2位となった。6年連続で本州一にはなったものの、数量は不調だった昨年をさらに下回っており、3年連続の不漁に見舞われた。

 

 不漁ながらも本州一維持

 

 全さんまによると、今季の全国の総水揚げ数量は7万7169㌧で前年比30%減。金額は214億2436万円で同8%減。記録的不漁だった昭和44年の約5万2000㌧以来、半世紀ぶりの低水準で、平成に入ってからは最低の数量となった。
 県内では累計数量1万3914㌧で同36%減、金額は36億4930万円で同17%減となっている。
 このうち大船渡への水揚げ数量は1万1088㌧で同20%減と、不漁だった前年をさらに下回った。今年は大型のサンマがほとんど入らず、小(140㌘~120㌘)や小々(120㌘以下)が主体となったにもかかわらず、不漁のあおりで平均単価は10㌔当たり2632円で同28%増と高騰。これにより累計金額は29億1869万円で同3%増となった。
 県内ではこのほか、釜石が1474㌧で同20%減、宮古が1350㌧で同78%減などと不振だった。
 全国3位の気仙沼は9676㌧で同28%減、同4位の女川は9516㌧で同31%減と、水揚げ量はいずれも大きく落ち込んでいる。
 8月に水揚げが始まった今季のサンマ漁だが、序盤から水揚げは振るわず。大船渡では9月に入ってからは10日間ほど水揚げのない日も続き、9月上旬時点での水揚げ量は前年のほぼ半分という状態だった。
 直送便の予約中断や「三陸大船渡さんままつり」の延期など、不漁の影響は全国への直送便事業や小売り、イベントなど各所に及んだ。
 大船渡市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「水揚げ数量が減少し、地元経済への貢献が少なかった」とし、「資源減少なのか、公海上での乱獲が問題なのか、日本がイニシアチブを持っているサンマなので、国際的な場で資源管理をしっかりと進めていってほしい」と話している。