体と心をポカポカに、ジョニーで薬膳バイキング/陸前高田(別写真あり)

▲ 菅原さん監修の下、照井店主が手作りした薬膳料理11品を楽しむ参加者たち=竹駒町

 陸前高田市竹駒町のジャズ喫茶「ジャズタイムジョニー」(照井由紀子店主)は17日、同店で「冬の薬膳バイキング」を実施した。同店の常連や薬膳に関心のある市民など10人が参加し、照井店主(65)お手製の薬膳メニューで体と心を温めた。
 震災前に気仙管内で薬膳の研修会、薬膳料理教室などを開催していた「気仙中医学・薬膳研究会」(亀卦川武彦代表)が後援・企画。震災後は小規模な試食会を開くなどしており、今回のバイキングは震災後初めての大々的なイベントとなった。
 照井店主は以前から薬膳料理教室に参加。この日は、同研究会の国際薬膳指導師・菅原由紀枝さん(55)監修のもと、寒さに弱い腎の機能を高める効果のある薬膳料理11品を作って提供した。
 テーブルには「山薬粥」「黒米くるみおこわ」「鶏大根五香粉煮」「大根柚子漬け」「りんごクコゼリー」などがズラリと並び、参加者たちが1品ずつゆっくりと堪能。このうち「あったかシチュー」には、当初使う予定だった羊肉の代わりに、地元のハンターが捕まえた鹿の肉を使用した。
 薬膳教室に何度か参加したことがあるという高田町在住の50代の女性は、「薬膳料理の中には難しいものもあるが、今回の料理は普段から家で作れるものも多かった。このレシピを参考に、今度自宅で作ってみたい」と意気込む。
 「『またやってほしい』『週一でもいい』という声も聞こえてきた。喜ばれて良かった」と菅原さん。「同じ食材でも効果が違う食べ方もある。要望があればまたイベントを開催し、薬膳料理の知識を役立ててもらえたら」と展望を語る。
 照井店主は、「震災後は内輪で試食会をやっていて、その楽しさを他の人々にも少しでも分けたかった。忘れてしまっていることもあったが、薬膳の材料を一つずつそろえるのは楽しかったし、こうしてバイキングを開けてホッとしている」とうれしそうな表情。「薬膳料理は体だけでなく心も豊かになるので、おしゃべりしながら食べてもらって、体が温まり気持ちも落ち着いていくのを実感してもらえれば」と期待していた。