第70回岩手芸術祭が開幕、美術作品約200点を展示/気仙で初開催
平成30年1月20日付 6面

県など主催の第70回岩手芸術祭・総合フェスティバルin気仙は19日、大船渡市盛町のリアスホールで開幕した。気仙での開催は初めて。初日は美術展が開かれ、本県出身の芸術家や小中学生らの入賞作品約200点を展示。イベント最終日の20日は、同ホールで舞台公演も行われる。入場無料。
リアスホールを会場に
きょう舞台公演も/大船渡
同芸術祭は「県内最大の芸術祭典」で、県と県芸術文化協会が毎年開催。舞台公演の「フェスティバル」と作品展示の「美術展」の二つに分けられ、フェスティバルは県民会館(盛岡市)、美術展は同会館と希望のあった自治体でそれぞれ開かれている。
70回の節目を迎えた今回は同会館(昨年10月開催)に加え、気仙地区芸術文化協会連絡協議会と気仙3市町の賛同を得て、大船渡市での開催が実現。フェスティバル、美術展ともに、気仙では初開催となった。
美術展で展示されているのは、全国の岩手県出身者から募った一般の作品と、小中学生らの作品。応募作品8915点(一般831点、小中学生8084点)から審査で選ばれた入賞作品のうち、各部門上位8位までの作品194点(一般78点、小中学生116点)が、同ホールのギャラリーを彩っている。
作品は、日本画、洋画、版画、彫刻、工芸、書道、写真、デザイン、現代美術、水墨画の部門ごとに展示。地域性や個性が光るさまざまな作品が一堂に集まり、美術経験の有無にかかわらず来場者の目を楽しませている。
一般のギャラリーには、洋画部門・優秀賞の「震災の記憶〜高田松原」(陸前高田市出身・髙澤俊郎氏作)、書道部門・部門賞の「勝太郎の詩より」(大船渡市・金野翠苑氏作)と、気仙出身者の作品も並ぶ。
また、小中学生のギャラリーにも気仙の児童生徒の作品が展示されており、初日は親子で鑑賞する姿も数多くみられた。
美術展は、20日も午前10時〜午後4時。作品の撮影は原則禁止となっている。
一方、同日午後1時30分から大ホールで開催されるフェスティバルには、県内の個人・団体が出演。気仙関係の公演は、吉浜小と大船渡中の合唱、チンドン寺町一座と長安寺太鼓の共演、古澤蒼大君(越喜来小3年)によるピアノ演奏、住田町・天嶽芸能保存会の「麦まき踊り」、気仙中学校による「気仙町けんか七夕太鼓」などを予定している。
県芸文協の佐々木仁志事務局長(66)は「今回を機に気仙と岩手の芸術が融合し、関係団体がつながるきっかけにもなれば」と話し、多くの来場を呼びかける。
問い合わせは県芸文協(℡019・626・1202)まで。