利用促進のため自主企画、交流施設・ほんまるの家/陸前高田(別写真あり)

▲ 会議や催しに利用できる「ほんまるの家」。2月には自主企画第3弾も=高田町

 陸前高田市高田町の中心市街地にある交流施設「ほんまるの家」では、利用者の声を受けたさまざまな自主企画を展開している。いろんな場面に活用できる「開かれた施設」であることを地域住民に知ってもらい、利用を促していく中で、住民の間からも多彩な企画が生まれてくるようにという狙いがある。

 

〝楽しいこと〟生む場所に、住民の「やりたいこと」刺激

 

 同施設は、著名な建築家・伊東豊雄さんが設計した建物。もとは東京ガス㈱が所有し、栃木県宇都宮市で「SUMIKAパヴィリオン」として親しまれていたが、陸前高田市へ移設され、新たな交流施設として昨年10月1日に誕生した。高田町の本丸公園通りにあること、「住民にとっての〝家〟のような存在に」という願いを込め、「ほんまるの家」と名付けられた。
 指定管理は陸前高田商工会が務め、陸前高田まちづくり協働センターのスタッフが常駐。利用予約がなければ午前9時〜午後6時まで開放され、誰でも出入りできる。
 設備の整ったアイランドキッチンがあるうえ、スーパーも至近。近隣には菓子店やカフェなどが建ち始めており、飲食物も持ち込める。料理教室やミーティング等での貸切利用(有料)、無料休憩場所として幅広く活用され、オープン以来約1400人が訪れた。目の前には「まちなか広場」があり、日中には子どもが遊ぶのを施設内から見守る大人の姿や、お弁当を食べる親子らも見られる。
 一方で、施設の認知度がまだ低く、入るのをためらう人や、「どんなふうに使えるのかわからない」という人もいることを受け、同センターの種坂奈保子さん(31)らが中心となって自主企画を実施。同施設を訪れるきっかけとすべく、これまでに「お菓子の家づくり」や「リラックスカフェ」を開いてきた。
 壁面には、利用者がほんまるの家でやってみたいことをふせんに書いて張り付けるコーナーも。スタッフはここに記されたアイデアもヒントに企画を練り、2月には自主企画第3弾として「タカタカレー部」を立ち上げる。市内のカフェ店主を講師に本格的なカレーを作るという企画で、23日(金)、25日(日)の2日間実施するうち、すでに25日は予約がいっぱいとなる好評ぶりだ。
 種坂さんは「飲食店のカレーの作り方を学んだり、海外のカレーをみんなで試行錯誤して作ったりする〝部活動〟のようなイメージ。月1回は難しくても、2〜3カ月に1回くらいのペースで続けていければ」と見通しを語る。
 スタッフの佃実佳さん(32)も、「『何かしてみたいけれど、自分たちだけではまだできない』という方のため、最初は私たちがお手伝いするという形。皆さんがやりたいことを一緒にかなえていければ」という。
 中心市街地のにぎわいや盛り上がりを創出するうえで、期待が寄せられるほんまるの家。種坂さんは「市民自らが〝楽しい場所〟を生み出していけるよう、そのきっかけをつくりたい」とし、気軽な来訪を呼びかける。
 同施設の利用予約は「陸前高田市まちなか広場」のサイト(https://www.honmaru.org/)からも行える。問い合わせは同施設(℡47・3389、ファクス47・3397)まで。