「しょうわばし」最高賞、全国エアロビック映像コンで/住田(動画、別写真あり)

▲ グランプリの報告を受け、笑顔を見せる参加者たち=世田米

 公益社団法人日本エアロビック連盟が主催する第10回全国エアロビック映像コンクールで、住田町世田米の「しょうわばしカフェ」がスローエアロビック部門で最高賞にあたるグランプリを受賞した。商店街に定期的に集まる地域の高齢者が笑顔で体操に励む動きが、高い評価を受けた。
 このコンクールは生涯スポーツ振興の観点から、子どもからお年寄り、障害者までの交流をコンセプトに開催。おおむね50歳以上を対象とした同部門と、障害者らによるアダプテッドエアロビック部門、幼稚園や中学校などによる「みんなでエアロビック」部門それぞれで映像を受け付けた。
 昨年10、11月に募集し、各部門合わせて70チームが応募。1757人の参加があった。
 「しょうわばし」は毎週火曜日の日中に世田米商店街で開設される中心型寄り合いカフェ。地域の高齢者が集まり、お茶のみ話や手芸、将棋などを楽しみながら運営する町社会福祉協議会職員や一般社団法人・邑サポートメンバー、住民ボランティアらとの親睦を深めている。
 開設された3年前から、月1回のペースで一関市千厩町在住の健康運動指導士・藤野恵美さん(62)が訪問している。藤野さんは発災直後から避難所などで運動指導を続け、閉鎖後も住田町や陸前高田市の仮設団地を定期的に訪れ、持ち前の元気を届けながら住民と交流。町内に訪れた際は町内の寄り合いカフェにも出向き、手足を気軽に動かす運動を指導してきた。
 昨秋、藤野さんは参加者が楽しく体操に励む姿を目の当たりにし、急きょ撮影を決意。『東京音頭』に合わせ、高齢者が口ずさみながら体操する動画を収録して応募した。
 今月発表された審査結果によると「終始参加者の笑顔が印象的」と高評価。同部門では、同じく藤野さんが指導してきた陸前高田市の「一中仮設」が第8回にグランプリに輝いており、気仙では2年ぶりの快挙となった。
 藤野さんは「とにかくみなさんが、明るく元気で、朗らか。音楽に合わせた運動の途中でも、話のキャッチボールができる。これからも寄り合いカフェが生きがいになってもらえれば」と話す。
 30日は、約20人の地域住民や運営ボランティアを前に、藤野さんがグランプリ受賞を報告。音楽に合わせて体を動かしたあと、応募動画を視聴して喜びを分かち合った。
 毎週訪れているという世田米の千葉ヨシ子さん(94)は「一人でいたら、改めて運動することはないから。みんなで体操すると、体がポカポカになる」と語り、笑顔を見せていた。