椿学習 取り組み活発化、福祉活動などへの発展も/大船渡市内の小中学校

▲ 椿学習に取り組む日頃市中の生徒たち=大船渡市

 大船渡市内の小中学校などで行われている「椿学習プログラム」。市の地域資源活用交流促進事業の一環で3年前から始まり、取り組みが活発化している。参加各校では、児童生徒が市花・ツバキの実拾いや、換金して支援金を贈る福祉活動などを通じて、地域資源の魅力を感じ取っている。

 

市花の魅力を感じて

 

 同プログラムは、地域資源を活用した体験の場、市内外の人との交流促進を通して、故郷の魅力を再発見し、地域活性化につなげることが目的。ツバキに関する活動に取り組む明治大学の学生らも協力し、平成27年度から続けられている。
 参加校では年数回、学習機会を設け、ツバキの実集めや殻むき、搾油の体験会を実施。また、総合学習の一環として、気仙で古くから料理や化粧、染め物など、あらゆる場面で活用されているツバキの情報発信を行っているほか、ツバキの商品販売や植樹活動を展開している企業と交流するなど、活動の幅を広げている。
 本年度対象となっている学校は日頃市中、末崎小、大船渡小の3校。
 このうち、日頃市中(村上洋子校長、生徒28人)は27年度から毎年同プログラムによる学習を実施。本年度も椿のマップ作りや調理実習、産業体験などの授業を通し、全校をあげてツバキの魅力発見に取り組んでいる。
 昨年11月には、町内で実拾いを行って約5㌔の実を回収。これを換金し、別途募金と合わせた2万円を台風被害を受けた岩泉町の小川中学校に贈る社会貢献活動も行った。
 杉山治樹生徒会長(2年)は「ツバキに実際に触れることで、市花への興味が出てきた。つばき油がシャンプーなどの日用品に生まれ変わることなど新しく知ることばかり」と語り、「大船渡市民の一人としてツバキのことをもっと知りたいし、後輩にも知ってもらいたい」と願う。
 椿学習は今後も、押し花作りのワークショップや植樹会などのイベントが各校で予定されている。
 企画する市復興支援員の鄭舜圭さん(31)は「今後も、椿の里づくりに参加する担い手を増やし、地場産業の促進などにつなげていければ」と発展を誓っている。