あすからリアスホールで棋聖戦第4局、井山七冠VS一力八段/大船渡市

 囲碁の第42期棋聖戦七番勝負第4局は15(木)、16(金)の両日、大船渡市盛町のリアスホールで行われる。ここまで、井山裕太七冠(28)が挑戦者の一力遼八段(20)相手に3連勝を果たしており、井山七冠のタイトル防衛か、一力八段が巻き返すか、第4局の行方に注目が集まっている。

 棋聖戦は、昭和51年に創設された囲碁の7大タイトルの一つ。本因坊、名人と並ぶ〝三大棋戦〟とされ、最高額の賞金を誇る。予選は、S、A、B、Cリーグの4段階制で、S〜Cリーグ優勝者とSリーグ準優勝者がトーナメントで挑戦者の座を争う。棋聖と挑戦者による七番勝負は、それぞれ2日制で、持ち時間は8時間。気仙で棋聖戦が行われるのは初めて。

棋聖戦のポスター


 井山七冠は、平成28年に囲碁界初の7大タイトル同時制覇を達成。一時は名人位を失ったが、昨年10月にこれを奪還し、七冠に返り咲いた。2度の七冠という偉業に対し、政府は今月13日に国民栄誉賞を授与。第4局は、同賞受賞後初のタイトル防衛がかかる。
 一方の一力八段は、7大タイトルのうち、天元戦、王座戦、棋聖戦の挑戦権を連続で獲得した若手のホープ。いずれのタイトル戦も井山七冠の厚い壁に跳ね返されているが、一戦ごとに成長を続けている。宮城県仙台市出身で、ふるさと東北で一矢報いるかが注目される。
 第4局は、趙治勲名誉名人と本木克弥八段の立ち会いのもと、15日午前9時に対局を開始し、午後5時ごろ封じ手を行う。2日目は午前9時から対局が再開される。
 対局両日には、同ホールなどでさまざまな催しが開かれることとなっており、気仙初の棋聖戦を盛り上げる。
 まず、15日には、午後1時30分から大ホールで王銘琬九段による囲碁入門講座を実施。同3時30分からは第1回大船渡キッズ囲碁大会が開かれる。入場無料。
 16日は、正午から同じ会場で大盤解説会が行われる。入場料は2000円。このあと、同4時からキッズ囲碁大会の表彰式なども開かれる。
 対局終了後には、大船渡町のまるしちザ・プレイスで交流会。参加費は3500円で、参加は当日受け付ける。
 また、前日の14日午後4時30分からは、同ホールで「前夕祭」。対局者は同4時ごろに会場に到着予定という。当日参加受付も行う予定としており、定員は20人。
 これらの各種イベントを実施する同棋聖戦第4局大船渡実行委員会(木谷正道代表)は13日、大船渡市役所で記者発表を行った。
 同代表はイベント詳細を発表したあと、「棋聖戦は大船渡の名を全国に広める良い機会。これをきっかけに住民のみなさんが元気になり、外部の人との交流を深めることで、復興につながっていけば」と期待を寄せていた。