桜色 浜に春告げる、イサダ漁がスタート/大船渡(動画、別写真あり)

▲ 初日は約180㌧が水揚げされ、浜が活気づいた=大船渡市魚市場

 三陸沿岸に春を告げるイサダ漁が22日、解禁された。漁解禁は昨年よりも5日早く、大船渡市魚市場には同日、桜色のイサダ約180㌧が初水揚げされた。初日の水揚げ量は昨年の7・5倍。1㌔当たりの単価も上回り、幸先のよいスタートとなった。

 

初日は約180㌧

昨年上回る水揚げ量に

 

 この日は、各船が早朝から出港して漁に臨み、24隻が30㌔入りカゴ合わせて約6000個、計180㌧ほどを水揚げ。1隻につき1日275カゴまでという規定があるが、〝満船〟となる船も数隻あり、場内は活気にあふれた。
 一番船となったのは、大船渡市三陸町綾里の第八隆盛丸(19㌧)。大槌沖でイサダを漁獲し、ほぼ満船で午後0時30分ごろに入港。その後も、漁船が続々と港に入り、魚市場南側岸壁で水揚げを行った。
 入札の結果、1㌔当たり単価は70〜58円と、昨年の60〜50円よりも高い値がついた。
 昨年のイサダ漁は県全体で不漁に見舞われ、全県の水揚げ量は前年比25%減の6346㌧。太平洋沿岸の漁獲割り当てのうち、本県に割り当てられた1万5000㌧の5割に満たなかった。
 このうち、同魚市場では水揚げ量が前年比33・9%減の3295㌧にとどまった。不漁に前年からの在庫不足などが加わって平均単価が高騰したことで、累計金額は同96・1%増の3億632万円(税抜)となった。
 今季は前年を大幅に上回る水揚げ量となるなど好調な出だしで、市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「幸先はいい。今年一年、漁況が良くなれば」と豊漁に期待を込める。
 イサダはツノナシオキアミの別称で、主に養殖や遊漁のエサとして流通。県内では需要拡大を図ろうと付加価値向上に向けた研究も進められている。
 解禁は、例年2月下旬から3月上旬の春季で、漁況が良ければ4月末ごろまで水揚げが続く。
 今年の太平洋沿岸の漁獲割り当ては昨年と同じく、岩手・宮城両県が1万5000㌧、福島県が2500㌧、茨城県が4200㌧となっている。