学生たちが家庭訪問、マルゴト陸前高田の民泊事業〝工夫〟を調査中(動画、別写真あり)

▲ 佐藤さん㊨と吉原さんの学生2人が民泊受け入れ家庭を訪問=小友町

 陸前高田市の一般社団法人マルゴト陸前高田(大久保光男代表理事)で研修するインターンの大学生たちがこのほど、市内の「民泊」受け入れ家庭への訪問活動を始めた。市の交流人口拡大策として一昨年から始まった民泊事業をよりよいものにするため、各家庭が修学旅行の中高生らを泊めた際に工夫していることなどを聞き取っている。
 マルゴト陸前高田で研修しているのは、佐藤さやかさん(19)=東北芸術工科大学1年、山形県出身=と、吉原和輝さん(20)=上智大学1年、東京都出身=の2人。復興庁による東北被災3県の「復興・創生インターン」に参加し、今月16日からおよそ1カ月にわたり同市に滞在している。
 2人は教育旅行にかかる調査を任され、20日から一日数軒ずつの民泊登録家庭を訪問。これまで県外の生徒たちを受け入れたとき、どんな体験をさせたか、どういった食事が喜ばれたかなど、家庭ごとの工夫について調べている。これらの聞き取りは後日取りまとめ、同法人や受け入れ家庭の中でノウハウとして共有するという。
 家の人の「あまりかっこつけすぎると疲れるから、ふだん通りに接した」といった言葉にうなずきながら、「苦労した点はないか」などと質問し、メモを取った吉原さんと佐藤さん。最後には「4月からまた修学旅行生が来るので、引き続き受け入れをお願いしたい」として依頼の文書を手渡した。
 まちづくりを学んでいるという佐藤さんは、社会的な課題先進地でもある被災地を訪ねたいとの思いからインターンに参加したといい、「陸前高田には前向きで行動力ある方が年齢を問わず多い。古里を自慢に思うその原動力を知り、自分の故郷に持ち帰りたい」と、住民との直接対話の中から多くの〝気づき〟を得ている様子。
 そのうえで「地元の方にとっての『当たり前』も、泊まる側にとっては『当たり前』ではないことが多い。民泊が双方にとって有意義なものだということを知ってほしい」と佐藤さん。吉原さんも、「受け入れ家庭が無理なく続けられる民泊となるよう、少しでも貢献できたら」と話していた。