それぞれの道へ前進 多くの支えに感謝、気仙4高校で卒業式(別写真あり)

▲ 親にツバキの苗木を贈り感謝を伝える卒業生ら=大船渡東高校

 気仙4高校(大船渡、大船渡東、高田、住田)の卒業式は1日、各校で行われた。卒業生らが、これまで支えてくれた保護者、後輩、先生たちに背中を押され、就職や進学などそれぞれの道に向け前進する決意を新たにした。

 

141人が新たなステージへ/大船渡東

 

 大船渡市の県立大船渡東高校(川村俊彦校長、生徒380人)の卒業式は、本年度で第10回を迎えた。5学科の計141人が臨み、お世話になった人への感謝と、新たなステージに向かう意思を示した。
 卒業生は学科別に、農芸科学科18人、機械科40人、電気電子科23人、情報処理科23人、食物文化科37人。式には在校生や教員、保護者、来賓らが出席し、入場する卒業生らを温かな拍手で迎えた。
 卒業証書授与のあと、川村校長は生徒らの卒業を祝い「〝啐啄(そったく)同時〟という言葉があるように、みなさんは自分自身の力と親や友、地域からの力があってこの日を迎えた。学ぶ心を忘れず、一生懸命に挑戦し、成長することで幸せを見つけてほしい」と式辞。
 来賓の髙泰久副市長(市長代理)と佐藤淳文PTA会長、菊池透同窓会長も祝辞を述べ、卒業生らの門出を祝福したあと、3年間皆勤者30人の表彰が行われた。
 送辞では、在校生代表の佐々木礼生徒会長(2年)が「それぞれの夢の実現に向け、困難に立ち向かっていくために、この学びやで学んだことを役立ててほしい。私たちも、10周年を迎える高校のさらなる飛躍に向け努力していく」と先輩たちへエール。
 卒業生を代表し、木村一葉前生徒会長は「私たちがこの学びやで得た知識と技術は、何にも代えがたい宝。この宝を胸に、社会に踏み出していきたい」と答辞を述べた。
 式後は、各教室でホームルームが行われ、各クラスの担当教諭と生徒らが別れを惜しんだ。同校の伝統で、生徒が農場で育てたツバキの苗木を家族にプレゼントする場面もあり、これまでの感謝を形にしていた。

 

一人一人に卒業証書が手渡された=高田高校

新校舎での3年間胸に/高田

 

 陸前高田市の県立高田高校(菅野慎一校長、生徒484人)でも同日、卒業式が行われた。本年度の卒業生は、3年間の高校生活全てを新校舎で過ごした初めての生徒たち。保護者、恩師、学友への感謝を胸に、それぞれの将来に向けて第一歩を踏み出した。
 この日は、全日制普通科147人、同海洋システム科15人の計162人が晴れの日を迎えた。卒業生たちは、吹奏楽部の演奏に合わせて堂々と入場。
 国歌斉唱のあと、1人ずつ名前を呼ばれて登壇し、菅野校長から卒業証書を受け取った。
 続いて、3年間無遅刻無欠席で勉学に励んだ34人を皆勤賞として表彰。エゾイシカゲガイ商品化プロジェクトについて同校を代表して発表するなどした海洋システム科の山﨑正裕君は、財団法人「産業教育振興中央会」の御下賜金記念優良卒業生に選定され、産業教育の趣旨を理解した上で熱心に取り組んだとして賞状が贈られた。
 菅野校長は式辞で、「卒業生の目の輝きに、この3年間の教育の成果を見ることができた。さまざまな経験や挑戦ができたのは、多くの方々の支えがあったからだということを忘れてはいけない。高田高校は、県下の高校の中でも地域との結びつきが強く、地域の方々に支えられ、支援をいただいている学校でもある。その地域の期待に見事に応え、それぞれの進路に向かって力強く第一歩を踏み出そうとしている皆さんの姿に頼もしさを感じる」と語り、卒業生たちに▽情報を処理し、選別する能力を高めること▽柔軟な頭脳を身に付けること▽社会的マナーを身に付けること──という三つの〝お願い〟を伝えた。
 来賓祝辞のあと、在校生を代表して生徒会長の佐藤広一郎君(2年)が送辞。これを受けて、卒業生を代表して前生徒会長の三浦寿希哉君が答辞を述べた。
 このあと、卒業生にとっては最後となる校歌を斉唱。思い出深い校舎や学友、恩師と別れる寂しさと、これから始まる新生活への期待を乗せ、体育館中に響かせていた。