安全の道づくり進展、県が津波浸水防ぐ改良工事/大船渡広田陸前高田線

 気仙両市を通る主要地方道・大船渡広田陸前高田線(県道38号)のうち、県が道路改良工事を進めている陸前高田市内の2区間が、16日(金)正午に開通する。東日本大震災級の津波から道路の浸水を防ぐための改良工事が行われ、同線では6区間のうち4区間が完成することとなる。震災発生から7年。災害時の地域の孤立を防ぐ安全安心の道づくりが進展をみせる。

 

小友、広田町内
あす2区間が開通

 

 大船渡広田陸前高田線は、大船渡市大船渡町の三陸沿岸道路「大船渡碁石IC」乗り降り口付近から、末崎町、陸前高田市小友町、広田町、米崎町を通って国道45号までを結ぶ。総延長は26・1㌔。
 16日に開通するのは、小友町雲南─西下間の小友工区(延長1・4㌔)と、広田町御城林─大陽里間の大陽工区(同1・54㌔)。
 小友工区は平成26年度末に着工し、現行の道路を最大7㍍の高さまで盛り土した。総事業費は約25億円。片側1車線で、車道の幅は7・5㍍(路肩含む)、片側に設ける歩道の幅は2・5㍍。
 事業区間のうち南端(雲南側)、北端(西下側)のコンビニエンスストア沿い1040㍍は昨春までに供用を開始。残る360㍍はJR大船渡線BRT専用道予定地や農道と交わる区間で、BRTのバスや農道を走る車が通れるよう、大きな開口を持つコンクリート製の構造物(ボックスカルバート)三つを整備した。
 震災で甚大な被害を受けた広田町では、津波浸水区域を避ける高台に新たな道路4区間を整備している。現道の狭く、線形不良区間の解消を図り、防災集団移転促進事業による高台住宅地や災害公営住宅沿いも通るルートに設定された。
 このうち、大陽工区は片側1車線、道路幅は7・5㍍(路肩含む)で、現道より1・5㍍拡幅された。区間内の一部に幅2・5㍍の歩道を設ける。
 同町の花貝工区(延長1・1㌔)は一昨年9月に、広田工区(同1・4㌔)は昨年9月に開通済み。
 現在、工事している同町の久保~泊工区(同2・5㌔)は31年度末、大船渡市末崎町の船河原工区(同2・2㌔)は32年度末の完成を予定している。
 県大船渡土木センター道路整備課の藤島謙課長は「高台を通り、地域の復興、振興に寄与する道路。工事に時間を要し、地域住民に迷惑をかけているが、施工中の2区間についても一日も早い完成を目指していく」と気を引き締める。
 16日に開通する区間は別図の通り。