カキのアヒージョ開発、食の研究チーム「砥意志」/陸前高田(別写真あり)

▲ 砥意志が商品開発した「広田の海と地あぶらのアヒージョ 牡蠣」=広田町

 陸前高田市内外の食品製造業者らで結成した食の研究開発チーム「砥意志」(代表・河野通洋㈱八木澤商店社長)は、同市の広田湾産カキを使った「広田の海と地あぶらのアヒージョ 牡蠣」を商品化し、24日に販売を始める。構想から1年半をかけて開発したオリジナル商品第1号。自慢の海の幸の新たな楽しみ方を全国に伝えていく。

 

広田湾産の魅力 瓶に詰め、きょうから販売

 

 砥意志は平成27年冬に旗揚げ。東日本大震災で被災した事業者や震災を機に創業した事業者らが、東北の豊かな「食」の復活を目指し、独自のブランドづくりを進めている。
 「アヒージョ」は、陸前高田市の地方創生交付金事業「ユニバーサル・タウン陸前高田創生事業」の助成を受けて開発した。
 カキは、ミネラルたっぷりの雪解け水を吸い、味がもっともよいとされる3〜5月に水揚げされる身のみを使用。スペイン料理のアヒージョは、一般的にオリーブオイルを使用するが、数十種類の試作の結果、㈱デクノボンズ(一関市)の国産菜種油を採用した。
 工程は、生ガキ、菜種油、ニンニク、唐辛子、塩などを瓶に詰め、85度の湯で30分ほど煮沸消毒。あらかじめゆでたカキを使用するよりも口当たりがまろやかになるといい、瓶の中でまとめて熱することでおいしさをとじ込め、原料単体を殺菌する手間も省いた。
 加工を担うのは、震災の津波で自宅を失った広田町長洞の女性たちでつくる「長洞元気村なでしこ会」(戸羽八重子会長)。戸羽会長(61)は「そのまま食べても十分おいしいが、野菜などと一緒にパスタに絡めて食べるのがオススメ。広田湾のカキがもっと多くの人に知られれば、漁業者の励みにもなるのでは」と期待を込める。
 河野代表(44)は「陸前高田や気仙には海産物に限らず、ダイヤモンドの原石のような食材がたくさんある。チームの仲間を増やしながら、日本一の食材を使った日本一の加工品を作っていきたい」と力を込める。
 今年の販売数量は1200個を計画。現在は予約注文を受け付けるが、将来的には陸前高田市内のスーパーや産直などでの販売も目指す。
 保存期間は3カ月(要冷蔵)。値段は1個900円(税抜き、送料別)で、3個セットは3000円(同、箱代含む)。
 申し込みは八木澤商店の販売サイト(http://yagisawa-s.jp/)、電話の場合は同社(℡55・3261)、またはデクノボンズ(℡0191・75・3096)へ。