市民の安心つくる場に、保健福祉総合センター起工式/陸前高田(別写真あり)

▲ 工事安全祈願の神事が営まれた=高田町

 陸前高田市保健福祉総合センターの建設工事起工式は27日、高田町の現地で行われた。県立高田病院に隣接することから、同院とも連携し、医療・介護・福祉にまつわる市民の困りごとを総合的に解決できる施設として期待される。完成は10月を予定し、来年初めごろから、一部機能の供用を開始する計画となっている。
 建設予定地は高田地区高台⑤内、高田病院の西側に位置する。この日は施主である陸前高田市の戸羽太市長をはじめ、工事関係者ら約20人が出席。神事が営まれたのち、戸羽市長が「市民の期待が大きい施設。高田病院とも連携し、ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくりを実現する拠点としたい」とあいさつした。
 来賓の伊藤明彦議長は「本市の高齢化率は38%と、実に市民の3分の1が高齢者。『健康で長生き』ということが何よりも重要となる」と述べ、同施設が〝健康寿命〟の延伸に大きな役割を果たすと期待した。
 同センターは村上設計事務所が設計監理を務め、㈱小原建設・㈲柴田建設経常建設共同企業体が施工。建物は鉄骨平屋建てで、延べ床面積は約1357平方㍍。地域包括支援センターや保健センター、児童の発達支援施設といった機能を有する。
 完成後は婦人科検診、ガン検診といった各種検診会場となるほか、介護、医療、障害者福祉等に関する相談を受け付け、高齢者らの健康づくり、認知症予防活動の拠点にもなる。施設内には検診室、訓練室のほか、調理室や交流室なども設置される。
 市民生部の菅野利尚部長は交流室について、高田町の災害公営住宅下和野団地や中田団地に設置される「市民交流プラザ」のようなイメージとし、「バス待ちの方に利用していただいたり、利用者同士が交流できるような場としたい。ちょっとした調理室もあり、住民の中から自主的な活動が生まれていけば」と話していた。