きれいな花咲かせて、本年度卒業生が植樹/越喜来小(別写真あり)

▲ 植樹作業に汗を流す卒業生たち=越喜来小

 大船渡市三陸町の越喜来小学校(村上修校長)で28日、本年度卒業生18人らによるサクラの植樹祭が行われた。サクラは、卒業生らが卒業記念品として同校に贈ったもの。大きく育ってきれいな花を咲かせるようにと願いを込めながら、「伝説桜」と名付けたサクラの苗木を18本植えた。

 

18本の「伝説桜」


 東日本大震災で校舎が被災した同校は、崎浜小とともに甫嶺小校舎を間借りする形で授業を実施。3校が統合し、新たな越喜来小となったあとは甫嶺校舎と名称を変えて授業に使われていたが、平成28年11月に越喜来の小出地内に整備された新校舎に移転した。
 このため、一般に卒業記念品として贈られるケースが多い学校備品は、ほとんどが新品。そこで「新校舎で1年間を過ごした初めての卒業生として、何か特別なものを」と、敷地内に植えられていなかったサクラを卒業生の人数と同じ18本贈ることとした。
 植樹作業には、卒業生と保護者ら約40人が参加。植樹場所は校舎脇にあるのり面で、あらかじめ穴が掘られた場所に出席番号順に並んだ卒業生らは、保護者とともに作業を開始。
 好天に恵まれ、初夏を思わせる陽気の中、苗植えや水やり、シカよけネットの設置などに汗を流しながら、友人たちと会話を交わし、青空に笑い声を響かせていた。
 作業は1時間半ほどで終了。参加者らは、整然と並べられた苗木を見ながら「大きくなったら、すごくきれいに見えそう」などと話していた。
 児童会長を務めた坂本美陽さんは「すごくすてきな校舎で学校生活を送ることができた。サクラを見て、後輩たちが私たちを忘れないでいてくれたら」と願いを込めた。
 副会長だった古水健一郎君は「新校舎に引っ越して初めての運動会で、応援団が学生服を着て応援するようになった。自分たちで新しい伝統をつくっていけたのが思い出。中学校では、文武両道で頑張っていきたい」と笑顔で話した。