綾里地区が報告書提出、中学校の統合推進で/大船渡市

▲ 綾里地区統合協の佐藤会長㊨が小松教育長へ報告書を提出=大船渡市役所

通学路整備などの要望も

 大船渡市教育委員会の市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画に基づき、中学校の統合推進に合意した綾里地区学校統合協議会(佐藤次夫会長)は29日、小松伸也教育長に協議結果報告書を提出した。報告書には、相手先である赤崎中との統合に向けた協議などを進めるにあたっての要望事項7項目も記載。一番の課題でもある通学路の早期整備などを求めた。
 報告書の提出は市役所教育長室で行われ、佐藤会長(76)が出席。佐藤会長が小松教育長に対し、報告書を手渡した。
 綾里地区では平成29年11月から、同計画で提案された綾里中と赤崎中の統合案を協議。地区住民を対象としたアンケート結果なども踏まえ、今月23日の第3回会合で統合推進に合意するとともに、報告書や要望事項の取りまとめも行った。
 提出された報告書には、「今後も続く少子化の進行に鑑み、他校との統合はやむを得ない」「統合先は、赤崎中学校とする」と記載。
 要望では、統合に向けて▽設置予定の合同協議会においては、綾里と赤崎の両地区が対等の立場で協議に臨むことを基本とすること▽綾里地区から赤崎中学校までの通学手段の確保について、便数や経路、時間設定などPTAの意向を十分踏まえて検討すること▽諸課題の解決については、保護者をはじめ、地域住民の意見を十分考慮しながら対処すること──などを求めた。
 提出後の懇談では、志田努学校統合推進室長が赤崎地区の統合協議会設置時期などの見通し、他地区の中学校統合に関する動きなどを示した。
 綾里、赤崎両中学校の統合案をめぐっては、綾里の結果を受け、5月以降に赤崎地区でもその是非を判断する統合協議会が設置される予定。赤崎側も統合推進に合意する結論が出された場合、両地区の代表者らによる合同協議会が設けられ、統合実施に向けた話し合いに移ることとなる。
 佐藤会長は「綾里では地区住民へのアンケートや説明会の開催など、統合案を周知する機会があり、統合への賛意を得られたのではないか。統合を進めるにあたって一番の課題は、道路整備といった通学手段の確保。合同協議会でも検討を続けてもらいたい」と話していた。