人口減少の一途続く、2045年の見通しは3市町計で約2万8千人減/気仙

 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は、平成27年(2015)の国勢調査をもとにした2045年までの将来推計人口を30日に発表した。気仙2市1町は、2045年には大船渡市で2015年比43・9%減の2万1334人、陸前高田市で同41・9%減の1万1486人、住田町で同52・3%減の2730人まで落ち込むとしている。65歳以上の比率は40~50%台が示され全国平均を大きく上回るなど、地域の持続可能性確保へのハードルは依然として高く、自治体経営の知恵も問われていきそうだ。

 

社人研が将来推計人口発表


 社人研の将来推計人口は、国勢調査などから将来の出生率や死亡率を仮定したうえ、都道府県や市区町村別に算出するもの。おおむね5年ごとに行っており、社会保障や各種計画の基礎として用いられる。
 今回の内容によると、2045年の全国の総人口は1億642万1000人で、2015年比でおよそ2000万人の減。東京都を除く46道府県で2015年よりも少なくなり、市区町村の94・4%で人口が減るとしている。
 総人口の減少に伴い、65歳以上人口も増加から停滞または減少に転じ、全国平均で36・8%(2015年比10・2ポイント増)になるとしている。
 すべての都道府県で人口が減少に転じる時期は2030~2035年以上の見込みで、前回推計の2020~2025年からは10年先になった。近年の出生率向上などを反映したものだが、依然として人口減少傾向の見通しは変わっていない。
 本県は、総人口88万4518人(同30・9%減)。減少幅に違いはあるが、すべての市町村で減少の見通しにある。65歳以上は43・2%(同12・8ポイント増)。
 気仙2市1町合計の2015年と2045年の推計値を見ると、6万3536人が3万5550人に減る。大船渡市は3万8058人が2万1334人に、陸前高田市は1万9758人が1万1486人に、住田町は5720人が2730人になるとしている。
 65歳以上人口の比率は、大船渡市で51・4%(同17・3ポイント増)、陸前高田市で57・2%(同20・4ポイント増)、住田町で56・7%(同15・3ポイント増)。いずれも全国平均を上回っており、現状でも大きな課題の少子高齢化を一層際立たせる数字となっている。
 2市1町ではそれぞれ、前回調査の数字などをもとにした「まち・人・しごと総合戦略」を策定済み。出生率向上や社会減抑制の取り組みを進め、2045年時点で大船渡市では2万6958人、陸前高田市で1万3686人、住田町では3238人という人口ビジョンを描いている。
 今回の社人研で示された減少幅は、こうしたビジョンを上回っており、各市町による取り組みのあり方にも少なからず影響を与えるものとなっていきそうだ。
 気仙2市1町の将来推計人口は別掲の通り。