英語に楽しく親しんで、〝すみっこ紙芝居〟活用/住田

▲ 先月行われた音声録音作業=住田テレビ

英語作品原作となった『もりのえんそうかい』『すみっことこおり鬼くん』の紙芝居

 住田町教育委員会が3月から制作を進めてきた「英語読み聞かせテレビ紙芝居」が完成した。国際理解教育に力を入れている中、町観光協会のPRキャラクター・すみっこが登場する紙芝居2作品を活用し、地元のケーブルテレビ局・住田テレビを生かして英語に親しんでもらおうと制作。映像作品は町内の小中高校に配布し、今後随時住田テレビでも放映される。

 

初の映像作品を制作

 

 すみっこは「住田の素晴らしさを広く発信するキャラクターを」と、平成25年度に町PRキャラクター制作委員会が町内外からデザインを募集。住田の里山を出身とする〝炭のおばけ〟で、各地のイベントに着ぐるみが参加し、子どもたちの人気を集める。
 観光協会では多くの人にすみっこへ親しみを深めてもらおうと、27年度に絵本コンテストを開催。結果、子ども部門で「森の演奏会」、一般部門で「すみっこの思い出」が大賞に選ばれた。
 各作品は『もりのえんそうかい』『すみっことこおり鬼くん』として紙芝居化。保育園などで披露され、好評を博している。
 『もりのえんそうかい』は、寂しがり屋のすみっこがさまざまな音を奏でる森の動物たちと出会い、一緒に演奏会を開く物語。『すみっことこおり鬼くん』は、山奥から町の妖怪学校に転校してきたすみっこと新しい友達・氷鬼との交流を通じ、相手を思いやる気持ちの大切さなどが描かれている。
 いずれも脚本は、分かりやすい言葉でまとめられている。教育委員会ではこの作品を生かし、英語への親しみも深めてもらおうと、先月から紙芝居を生かした映像作品づくりに取り組んだ。
 現在町に赴任しているトーマス・エドワード・ウォークス国際教育講師が中心となって英訳。映像に合わせた英語のストーリー進行はトーマスさんとともに、町教育研究所の向口千絵子副主幹、美野マーク国際教育主事が担った。
 映像では紙芝居の絵が流れ、2作品合わせて15分程度。森の演奏会で出てくる「ぽんぽこぽんぽん」「こんこん」といった音の表現が、苦労したとか。映像作品でも原作の心温まる世界が引き継がれ、楽しみながら英語にふれられる内容に仕上がった。
 国際理解教育に力を入れる町教委では、今回の映像制作を住田ならではの教材づくりの第1弾と位置づける。「いろいろな視点から、活用策を探っていきたい」としている。
 住田テレビでは5月以降、随時放送を計画。映像作品をまとめたDVDは、町内の小中学校や学童クラブ、地区公民館などに配布し、多方面で生かされる。