少子化の進行 顕著に、児童生徒数また減少 6年前から1120人減/気仙

 平成30年度を迎え、気仙3市町の小中学校では今週から本格的な学校生活に入る。本年度当初における3市町全体の児童生徒数は、小学生が2376人、中学生が1401人、合計は3777人で、いずれも前年度を下回った。6年前の24年度と比べて合計1120人も少なくなっており、少子化の進行が顕著に表れている。

 

小学校新入児童 10人未満は5校


 30年度は、大船渡市が11小学校、8中学校、陸前高田市が8小学校、2中学校、住田町は小中ともに2校ずつの体制。陸前高田市では、第一中と気仙中が統合して新たに高田第一中が誕生した。
 各市町の教育委員会によると、市町別における本年度の児童生徒数は、大船渡市が小学生1485人(前年度比25人減)、中学生826人(同46人減)となり、合計は2311人(同71人減)。陸前高田市は小学生709人(同40人減)、中学生456人(同33人減)で、合計は1165人(同73人減)。住田町は小学生182人(同17人減)、中学生119人(同9人増)の合計301人(同8人減)。
 24年度からの児童生徒数の推移をみると、同年度は3市町合計で4897人だったが、毎年150人~220人台で減少を続け、本年度は3777人となった。
 前年度に比べて人数が上回ったのは、26年度の陸前高田市・中学生と、25、27、30年度の住田町・中学生。それ以外は、いずれも下回っている。
 本年度と24年度を比較すると、大船渡市は小学生303人(16・9%)減、中学生294人(26・2%)減で、合計では597人(20・5%)減。陸前高田市は小学生293人(29・2%)減、中学生135人(22・8%)減となり、合計で428人(26・9%)減った。
 住田町は小学生83人(31・3%)減、中学生12人(9・7%)減で、合計では95人(24・0%)減。3市町全体では1120人(22・9%)も少なくなった。
 小学校の全校児童数をみると、最も多いのは猪川(大船渡市)の306人で、最も少ないのは矢作(陸前高田市)の36人。
 複式学級編成をとっているのは、有住の5・6学年(16人)のみ。気仙両市でも複式学級の措置が必要な人数の学校があるものの、復興加配などの制度を活用して1学年1学級を維持している。
 全員が東日本大震災後に生まれ、本年度入学した小学1年生の人数は、大船渡市が234人(前年度比16人減)、陸前高田市が100人(同8人減)、住田町が24人(同5人減)で、合計は358人(同29人減)。学校別でみると、最多は猪川の53人で、最少は吉浜(大船渡市)の3人。
 10人を割った学校は吉浜のほか、矢作5人、竹駒(陸前高田市)4人、横田(同)6人、有住(住田町)6人の5校。2学級以上で編成されているのは、猪川と38人の立根(大船渡市)のみで、そのほかの学校はいずれも1学級となっている。
 中学1年生の人数は、大船渡市が256人(同30人減)、陸前高田市が135人(同11人減)、住田が46人(同11人増)で、合計は437人(同30人減)。
 最多は第一(大船渡市)の117人、最少は吉浜の7人。10人を割った学校は吉浜のみで、同校を含む大船渡市と住田町の計6校が20人未満となっている。
 児童生徒数の減少を受け、各市町ではこれまで学校の適正規模、適正配置に向けた取り組みを行ってきた。
 陸前高田市では23年度に市内小中学校適正規模化計画を一部見直し、「小学校は1町1小学校、中学校は市内東西の2校体制」として計画を実施。本年度の第一中と気仙中の統合により、計画を完遂した。
 一方、大船渡市では28年度策定の市立小中学校適正規模・適正配置基本計画に基づき、学校統合の議論が進む。
 このうち、第一と日頃市、越喜来、吉浜の各中学校の統合は地域の合意を得て、32年度の実施に向け協議をしていく。
 各市町では少子化や人口減少の課題に対し、「まち・ひと・しごと総合戦略」などによる結婚や子育て、移住などの各種施策を展開。今後も児童生徒数の減少緩和に向け、有効となる取り組みが求められる。