大船渡市長選/11月18日告示 25日投票、選管が日程決める

▲ 震災後2回目となる市長選の日程が決定=大船渡町

 大船渡市選挙管理員会(崎山陽一委員長、委員4人)は13日、市役所で定例会を開き、任期満了に伴う同市長選の日程を「11月18日(日)告示、25日(日)投票」と決めた。現在、表明順に新人で元参議院議員の藤原良信氏(66)=日頃市町=と、2期目の現職・戸田公明氏(68)=猪川町=が出馬の意向を示しており、競争選挙となる公算が大きくなっている。

 

競争選挙の公算大


 市長選は12月2日(日)の任期満了に伴うもので、昭和27年の市制施行から数えると通算19回目。三陸町との合併後は5回目、東日本大震災発生以降は2回目となる。任期満了日が12月2日となった同61年以降の市長選を振り返ると、いずれも11月中旬~下旬に告示・投票の日程が組まれてきた。
 今回の市長選をめぐっては、2月中旬に藤原氏が「今までの国、県との関係を地域に還元し、発展につなげていきたい」と立候補を表明。同月下旬には、戸田氏が「復興の完遂と、持続可能なまちづくりへ橋渡しを」と3選を目指す意向を示した。
 藤原氏は衆議院議員秘書を経て、県議選に昭和62年から連続5期当選。平成15~17年には議長を務めた。19年の参院選に初当選。25年に再選を目指したが落選した。
 戸田氏は大手建設会社での勤務後、18年の市長選に立候補するも落選。再挑戦した22年の市長選で初当選し、26年の前回選では新人候補を破って再選を果たした。
 すでに2人が出馬への意思を固めており、今選挙も競争選挙となる公算が大きい。現在のところ、この2人のほかに起意表明や候補擁立への表だった動きはみられていない。
 東日本大震災で甚大な被害を受けた大船渡市。発災後は市復興計画に基づいた約260の事業に取り組み、昨年9月末現在で約8割が完了、または目標を達成した状況となっている。
 災害公営住宅の建設や、防災集団移転促進事業の宅地整備などは完了。本年度内には、大船渡町の大船渡駅周辺地区で進む土地区画整理事業の基盤整備も終了する見込みだ。
 住まいの再建やハード面での整備が着実な進展を見せる一方、被災者の暮らし再生や心のケア、被災跡地の利活用といった重要課題も残る。また、少子高齢化や人口減少、復興事業収束後における経済振興、市民所得の向上と維持、国際リニアコライダー(ILC)の北上山地への誘致促進など、対策が求められる問題も山積している。
 選挙戦では、震災からのさらなる復興を進めるとともに、復興後におけるまちづくりの方向性が問われる。また、震災前から抱える人口減少などに対する具体的な施策も必要となる。
 今回は、選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めての市長選。投票日までに誕生日を迎えた高校生らも一票を投じることができる。
 今年3月1日現在の有権者数は、3万2150人(男1万5287人、女1万6863人)。前回選投票時(20歳以上)と比べて268人少ない。