県長寿文化祭作品募集ポスターに「御馬様」、 長谷川さん(陸前高田)の絵画使用

▲ 長谷川さんの絵画が使われた作品募集ポスター

 公益財団法人いきいき岩手支援財団などが主催する県長寿文化祭第30回作品展(兼ねんりんピック富山2018美術展出品作品選考会)の出品作品募集のポスターに、陸前高田市横田町の長谷川節子さん(66)の絵画「御馬様」が使用された。昨年の同文化祭において洋画部門の最優秀賞を獲得した作品で、赤い地色と合わせて強く人の目を引く仕上がりとなっている。
 趣味と経験を生かした創作活動の場として開催される県長寿文化祭は、県と同財団、一般財団法人岩手県老人クラブ連合会が主催し、毎年開催。日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の6部門があり、県内に住む60歳以上のアマチュアなら誰でも出品できる。
 「御馬様」は滝沢市と盛岡市で毎年6月に行われる伝統祭事「チャグチャグ馬コ」を題材にした絵。中学、高校時代は美術部に所属し、結婚・出産後も絵を習い続けていた長谷川さんは、一昨年に1人で同祭事を見物に訪れて100枚以上写真を撮ったうえで、1カ月あまりかけて作品を仕上げた。
 長寿文化祭の出品は昨年が初めてだったが、同作品は見事に最高賞を獲得。馬が身に着ける華麗な衣装、美しい毛並みを再現したことはもとより、大胆な構図や馬の目の優しさが印象的と評価を受けた。続く全国展(ねんりんピック)でも銅賞を受賞した。
 それまで公募展に興味がなかった長谷川さんだったが、同文化祭へ出品しようと思ったきっかけは「陸前高田市役所で昨年、たまたま作品募集のポスターを見かけたことだった」という。
 自身が出品の契機としたポスターに、今年は自分の絵が使われるということについて「あまりにも思いがけなくって」と照れ笑いする長谷川さん。絵は正方形にトリミングされているため元の構図とは異なっているが、馬のまなざしが強い印象を残す点は変わりがない。 
 「入賞して絵が飾られれば、陸前高田の名前をもっと知ってもらえるかなという思いがあって応募した。ポスターにも『陸前高田』という文字が入っていて、よかったなという思い」と喜ぶ長谷川さん。
 さらに、「年を取ってからもいろんなチャンスがあるんだなと思う。(長寿文化祭は)出品料もかからないし、いろんな部門がある。気仙にも文化的に素晴らしい方たちがたくさんいるので、挑戦しようという人がもっと増えたら」と話していた。
 同文化祭の作品応募締め切りは5月14日(月)。詳しい募集案内や申込書を希望する人は、同財団(℡019・626・0196、ファクス019・625・7494)まで問い合わせを。