住民ら連夜練習に汗、29・30日に盛町の天照御祖神社式年大祭/大船渡(別写真あり)

▲ 手踊りのチェックに余念がない吉野町地区のメンバーら=盛町

 大船渡市盛町に鎮座する天照御祖神社(長谷川瑞彦宮司)の式年大祭は29(日)30(月)の両日、同町内で斎行される。4年に1度の晴れ舞台を前に、道中踊りや権現様を披露する町内各地区の住民らは、熱のこもった練習を展開している。

 

4年に1度の晴れ舞台近づく

 

権現様の練習に励む田茂山、御山下地区の子どもたち=同

 同神社は、宝永6年(1709)に町の中央部にあたる現在の天神山公園に鎮座。以来、とら、うま、いぬ年に行う4年に一度の例大祭を式年大祭と定めて斎行し、五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛、世の安泰を祈願している。
 両日は、町内各地区の祭組が山車や屋台を運行。権現舞などの伝統芸能や道中踊りなどが披露され、祭典に華を添える。
 このうち、吉野町地区の住民らは同町権現堂地内の練習場にほぼ毎晩集まり、同地区オリジナルの『吉野町音頭』などに合わせた手踊りや太鼓の練習に汗を流している。
 13日夜は、手踊りのメンバーら約20人が吉野町公民館に、太鼓のメンバー10人余りは地区の一画にあるアパートの集会場に集合。本番が迫る中、ともに力の入った演舞を繰り広げるなど、晴れ舞台に向けて完成度を高めていた。
 手踊りに参加する木村はるさん(盛小5年)は「式年大祭で踊るのは2回目で、(踊りは)覚えてしまえば難しくない。見に来た人が、きれいだと思ってくれるようなものを披露したい」と話し、振り付けのチェックに余念がなかった。
 一方、田茂山一、二区と御山下地区の住民らで構成する田茂山組実行委員会(新沼勇一委員長)は、3月下旬から権現様の練習を開始。平日は毎晩、同町下舘下地内の練習場にメンバーが集まり、日々演舞の完成度を高めている。
 10日夜の練習には約40人が参加。太鼓と笛による威勢の良い祭りばやしに合わせ、才坊振りの小学生と、権現様を務める中高生や大人たちが力強い舞を見せた。
 才坊振りを務める鈴木優太君(盛小4年)は「(指導者に)優しく教えてもらい、難しい動きもできるようになってきた。本番はかっこいいところを地域の人に見せたい」と気合十分。同じく畠山馳琉君(同)も「手や足の上げ方などをうまくできるようになりたい。はっきり大きく動けるようになることが目標」と意気込んでいた。
 大祭は、29日午前8時から天照御祖神社で例大祭が行われ、同9時30分に神輿渡御行列が社務所前を出発。大名行列や稚児行列などが、商店街などを練り歩く。また、両日にわたり各祭組の館山車、道中踊り、権現様などが町内で運行される。