新たなスポーツ拠点発進、赤崎グラウンド本格供用/大船渡市

▲ 本格供用が開始された赤崎グラウンドでサッカー教室が開かれた=赤崎町

 大船渡市赤崎町字生形に完成した赤崎グラウンドの「オープニングセレモニー」(市主催)は14日、現地で開かれた。人工芝化とクラブハウス整備の工事を終え、本格供用を開始した市の体育施設。関係者や市内の子どもたちが、新たなスポーツ拠点の誕生を祝福した。

 

 整備完了でセレモニー

 

セレモニーではテープカットでグラウンド完成を祝福=同

 同グラウンドは、東日本大震災で被災した旧赤崎小学校跡地を活用。平成25年に東北出身のJリーガーらの支援で仮設グラウンドを整備後、利便性向上のため昨年夏から人工芝化を進め、今年1月には試験的に供用を始めていた。
 敷地内には、ロッカールームやシャワー室などを完備したクラブハウスも建設。セレモニーは、これらの工事完了とグラウンドの本格供用開始を祝って企画した。
 この日は、グラウンド整備の支援者や工事、行政、体育の関係者らに加え、学校やスポ少でサッカー活動を行っている市内の小中学生ら約100人が出席。
 はじめに、主催者代表の戸田公明市長が「立派なグラウンドが完成し、関係者のみなさんに感謝している。市内外の人たちに使ってもらい、交流人口の拡大や生涯スポーツの振興に役立てていければ」とあいさつ。支援者や施工業者らには感謝状を贈った。
 続いて、小松伸也市教育長がグラウンド整備の概要について説明。来賓代表の熊谷昭浩市議会議長は「このグラウンドから生まれる活気が、赤崎、そして大船渡の復興の追い風になるように」と願った。
 また、グラウンド整備に尽力したサッカーJ1・鹿島アントラーズの小笠原満男選手(大船渡高出身)から寄せられたビデオメッセージも公開。「グラウンドで思いっきりスポーツをして上達してほしい。応援しています」とエールが届けられた。
 クラブハウス前では、関係者によるテープカットを実施。結びに、赤崎中サッカー部の志田琢磨主将(3年)が「さまざまな支援があったことを感じながら、このグラウンドを使っていきたい」と感謝を述べた。
 セレモニーのあとは、グルージャ盛岡によるサッカー教室を開催。小中学生が参加し、選手らとの交流を楽しみながら技術向上を目指した。
 米澤遊月君(綾里小4年)は「グラウンドでは何度か練習していて、とても使いやすい。これから大切にしていきたい」とニッコリ。及川瑛士君(越喜来小5年)は「ボールが蹴りやすくてとてもいい場所。ドリブルなどの練習をがんばりたい」と意気込んだ。
 支援関係者で、独立行政法人日本スポーツ振興センターのSPORTSJAPANアンバサダー・北澤豪さんは「将来いい選手が育つ環境ができたと思う。グラウンドを使うたくさんの子どもたちがそれぞれ夢をかなえ、将来につなげてほしい」と願っていた。
 人工芝グラウンドの面積は1万1591・9平方㍍で、サッカーピッチ1面(ジュニアピッチ2面として使用可)、フットサルピッチ1面、少年用野球場1面を整備。設計は㈱菊池技研コンサルタント、施工は長谷川体育施設㈱岩手営業所。事業費は1億9764万円で、スポーツ振興くじ、日本サッカー協会、日本プロサッカー選手会などからの助成・寄付金を活用した。
 一方、クラブハウスは面積が174・96平方㍍で、事務室やトイレ、倉庫など各部屋が整備されたほか、30人掛けのアルミ観客席など付帯設備も設置。設計・監理はコエダ企画、施工は亘理建設㈱。事業費は8168万5000円で、地方創生拠点整備交付金などを財源とした。
 このほか、一般社団法人東北人魂・岩手グラウンドプロジェクトからミニゴール5組、長谷川体育施設㈱岩手営業所からフットサルゴール一式、県サッカー協会からゴールウェイトの寄贈もあった。