快適な生活を目指して、市の公共下水道事業 整備率は61・8%に/大船渡
平成30年4月19日付 7面

大船渡市は「公共下水道基本計画」に基づいて下水道整備を進めており、先月31日から大船渡、赤崎、猪川各町の一部で新たに使用可能区域が拡大された。市下水道事業所によると、平成29年度末現在の整備面積は537・1㌶で、整備率は61・8%。市は本年度も未整備区域の解消と、市民の快適な生活に向けて整備を進める。
使用可能区域を拡大
市は生活環境の改善や水質汚濁防止、浸水の防除等を目的として、昭和41年度に公共下水道基本計画を策定。2度の見直しと平成3年度の事業認可を経て、6年度に供用を開始した。
全体計画区域面積は1137㌶。このうち、これまでに盛町、赤崎町の赤崎北分区(中井、沢田、佐野)、大船渡町の大船渡分区(須崎川より北側)と下船渡分区の上平から北側などで下水道整備をほぼ完了している。
33年度までを目標年次として整備を行う事業計画では、整備済みの区域や31年度に下水道への切り替えを予定する蛸ノ浦地区漁業集落排水(漁集)区域を合わせた869㌶を計画区域に設定。下水道工事は29年度、猪川町や赤崎町、大船渡町の未整備区域や、中赤崎地区の防災集団移転促進事業区域で行った。
整備を経て、先月末から新たに使用できるようになったのは、大船渡町の笹崎、上平、下平、赤崎町の後ノ入、大洞、山口、猪川町の下権現堂、前田、轆轤石、長洞、長谷堂、中井沢で、いずれも各地域の一部。下水道事業とは別に、三陸町越喜来崎浜地区の一部では漁集施設の使用が開始された。
法律では、下水道が使用できる区域に建物を所有する場合、排水施設の設置とトイレの水洗化を行い、3年以内に下水道に接続するよう定められている。浄化槽を使用している場合も、早めの廃止と下水道への接続が求められる。
また、下水道施設が整備された土地の所有者(または土地を借りて建物を所有する人)には、土地の面積に応じた受益者負担金の納付(1回のみ)も必要となる。
市は公共下水道や漁集施設利用促進のため、各施設への接続工事をする人に、金融機関からの融資あっせんと利子補給を実施。融資あっせんの限度額は、一戸建て住宅が80万円以内、共同住宅は1世帯につき40万円以内などとなっている。
市は本年度、大船渡町の上平、赤崎町の後ノ入、猪川町の前田、轆轤石、長洞、長谷堂、中井沢などの地域で整備を計画。このほか、蛸ノ浦漁集施設の下水道接続事業にも取り組み、未整備区域の解消とより衛生的な環境づくりを目指す。
大船渡浄化センター施設改良付包括運営事業は、施設の設計・改良工事、維持管理業務を特定目的会社・大船渡下水道マネジメント㈱と5カ年契約を結んで30年度から実施。初年度は維持管理のほか、施設改良の基本、詳細設計を予定する。