「かっこ花」大切に育てよう、アツモリソウ栽培講座/住田

▲ 画像も交えて解説した佐々木代表

 住田町主催の第1回アツモリソウ栽培講座は20日、町生活改善センターで開かれた。住田町花であるほか、「かっこ花」「山野草の女王」などと呼ばれ、全国的にも園芸価値が高い。本年度の講座も県内外から申し込みがあり、受講者は庭先で美しく育てるための知識や技術を学ぼうと、熱心な表情で耳を傾けていた。

 

町外からも受講生多く

 

 アツモリソウは、山地の草原に生息するラン科の多年草。かつては冷涼な山間地に多く自生していたが、乱獲や造林事業などにより減少し、絶滅の恐れが高まっている。また、家庭などでの園芸栽培も、細かな管理が必要とされる。
 講座はアツモリソウの保護増殖に役立てるため、その技術向上を図ろうと毎年開催。アツモリソウ研究会(佐々木不二男代表)と、かっこ花を守る会(菊池賢一会長)が後援している。
 本年度は約40人が申し込み、町内だけでなく気仙両市や盛岡市、気仙沼市などからも受講があった。初回は佐々木代表(68)が講師を務め、基礎知識や生育環境などを解説した。

熱心な表情で耳を傾ける受講者=住田町

 栽培地に関しては、通風、温度・照度、湿度、排水による「環境の四因子」を強調。風通しの良い場所で日陰を確保するなど、冷涼な環境維持の重要性を説いた。
 栽培時の課題の一つは、根腐れ病予防とされる。佐々木代表は「鉢や表土にコケが出た時点で、根腐れが始まっている」と、水分管理の重要性にもふれた。
 また、花を美しく咲かせるための習慣として、毎日の観察を挙げた。「アツモリソウとのコミュニケーションが大切。水やりのタイミングなども自然に分かってくる」と語った。
 気仙沼市から訪れた菊地敏雄さん(65)は初めての受講。「庭先のアツモリソウをしっかり管理したいと思っているが、なかなか学ぶ機会はない。どのような生態かを学び、知識を深め、絶やさないようにしたい」と話していた。
 次回の講座は開花時期の5月下旬ごろに開催し、栽培地での研修などを予定。その後も栽培管理や増やし方、交配実習、株分け、植え替えなどを学ぶ計画で、10月までの間に随時開催する。