新庁舎の基本設計概要・詳しい平面図など示す、当局が市議会全協で説明/陸前高田

▲ 市役所建設の基本設計で示された断面の計画図

 陸前高田市は24日、同市議会全員協議会において市役所新庁舎の新築工事基本設計概要について説明した。敷地面積は約1万2000平方㍍。地上7階建ての庁舎の延床面積は、これまで示していたのと同じ約5600平方㍍とし、このほか地上3階の車庫・倉庫、地上1階の資材倉庫を設ける。来客用駐車場は「ノーマライゼーション」に配慮した6台分のスペースを含む計123台とした。
 東日本大震災で被災した庁舎の再建については、昨年3月の議会定例会において建設位置を現・高田小にすると決定。市は昨秋開催した市政懇談会で寄せられた市民の要望などをもとに、庁舎配置図、各階配置図などを今年1月に全員協議会に示し、2月にかけてパブリックコメント(意見募集)を行った。
 これを受けて同日は、各階のより詳細な配置図などを付した基本設計概要を提示。外観イメージパース、位置図、各階ごとの平面計画、断面図などをもとに、全体の構成や動線、狙いなどを説明した。
 また、「災害に強い新庁舎の考え方(BCP計画)」として、大規模災害発生時における電源・上下水の確保、非常用発電機用の油タンク設備の設置、耐震安全性などについても盛り込み、災害時に市街地を監視するための屋上からの可視範囲なども示された。
 全体構成としては、来庁者の利便性を考慮し、1~2階には市民の利用が多い窓口部門を配置。議場および議会関連書室は6~7階に集約配置し、議会機能の独立性を確保することとする。
 窓口は基本的に市民と職員のコミュニケーションがとりやすいローカウンターとし、短時間の手続きはハイカウンターで対応。車いす利用者向けの記載台も計画する。1階には、作品展をはじめ各種イベントなどに幅広く利用でき、キッズコーナー、授乳室、売店等を併設する「市民交流スペース」を設ける。
 6~7階の吹き抜けとなる議場は、「市民に開かれた議会」を目指し、傍聴席を7階に設置。議員、当局双方が見やすいようにする。発言者への視界を確保するため、議場床には段差を設けるが、スロープをつけバリアフリーに配慮する。
 7階の展望ロビーは南側に配置。市街地と海が一望でき、市民がいつでも立ち寄れるようにする。
 さらに屋上には電算室、設備スペース、災害時の非常用発電機を設置することで、市は「災害に対する安全性を確保する」としている。