活気創出のけん引役に、アバッセたかた開業1周年/陸前高田(別写真あり)

▲ 3店舗分の買い物レシートを提示するとトートバッグがもらえるなど、さまざまな企画を用意=高田町

 陸前高田市の被災市街地復興土地区画整理事業により整備された高田町のかさ上げ地で初めて開業した大型商業施設「アバッセたかた」は27日、オープン1周年を迎えた。中心市街地のフラッグシップ(旗艦)として、にぎわい創出のけん引役を果たしてきた同施設は、今後さらに増えていく周辺の個人事業者をはじめ、市民らとの協働で「陸前高田に住みたい」と思うきっかけとなるような、まちなかの魅力づくりに取り組んでいく。

 

まちの〝旗艦〟として存在感、周辺個店と盛り立て合う

 

 アバッセたかた専門店街を運営する高田松原商業開発協同組合(伊東孝理事長)は同日から30日(月・休)まで、「誕生祭」として多彩な催しを企画。3店舗分の買い物レシートと引き換えられるトートバッグプレゼント(先着200人)のほか、店ごとに限定商品の販売や割引セール、買い物客への粗品進呈、ポイント2倍といった特典を用意している。 
 この日は、同市のNPO法人きらりんきっず(伊藤昌子理事長)が、専門店街のイベント広場「パブリックスペース」で「おでかけきらりん」を実施。輪投げや、布製品に押せる消しゴムハンコのワークショップなどを開き、親子連れを楽しませた。
 乳幼児を育てる父母らをサポートする同法人の伊藤理事長(49)は、スーパーや衣料品店、ドラッグストアをはじめ、書店や100円ショップなどがそろう施設ができたことで、「お母さんたちが買い物しやすくなっただけでなく、暮らしにうるおいが生まれたと思う」という。
 アバッセには市立図書館が併設されており、「親子でも立ち寄れるし、生徒たちが休みの日にここへ来て友達と勉強し、お昼は隣のフードコートで食べて、というような過ごし方もしている。地域のおじいちゃん・おばあちゃんの気配を感じながら過ごせる、中高生にとっての〝居場所〟もできたのでは」と伊藤理事長。
 同法人もイベントなどに活用しているパブリックスペースでは、年間を通じて作品展やコンサート等が開かれていることから、伊藤理事長は「よりアバッセが身近に感じられるし、このまちに住む一人として一緒ににぎわいをつくっていきたいと考えているので、こういう場所があるのはすごく大事だと思う」と語った。
 また、アバッセと隣接する交流施設「ほんまるの家」スタッフの種坂奈保子さん(31)は「大船渡の(商業施設)『キャッセン』のように、このあたり一帯が全部『アバッセ』と思っている方もいる。皆さんとりあえずアバッセのことはご存じなので、それをきっかけにほかのお店も知ってもらい、『高田っておもしろいんだな』と思ってもらえたら」と話していた。
 同施設周辺では、合同会社ベースによる「まちなかテラス」全5店舗が営業を開始しているほか、中心市街地には今年、約20店の開店・開業が見込まれる。同組合は「『ここで暮らしたい』とうらやましがられるような〝高田スタイル〟とにぎわいを創出すべく、周囲の事業者と連携し、その先導役を務めていきたい」としている。
 28日は午前11時からもちまきが、パブリックスペースでは伊東文具店によるこいのぼりづくりが行われる。29日(日)は午後1時30分から「図書館おはなし会スペシャル」を、同3時から「命ありがとう〜歌で届ける命の輝き〜」と題しコンサートが開かれる。
 問い合わせは同組合(℡53・2111)へ。