37年ぶりに鳥居新調、三陸大王杉近くの八幡神社/大船渡

▲ 鳥居の建て方に汗を流す地域住民ら=三陸町越喜来

 大船渡市三陸町越喜来の杉下地内に鎮座する八幡神社(熊谷修一別当)の鳥居が、37年ぶりに新調された。鳥居は三陸大王杉に続く道にあり、老朽化による倒壊を危惧した同神社の氏子総代や地域住民らが力を合わせて建て替え、完成を喜んだ。
 地域住民から「八幡様」と呼び親しまれている同神社は、地元の観光名所である三陸大王杉近くに鎮座。明治三陸大津波と東日本大震災津波で史料が流失したため、詳しい由来などは不明となっている。三陸大王杉にも続く同神社参道の中腹にある、これまでの鳥居は昭和56年に建立されたもので、最近では「いつ倒れてもおかしくない」と地域住民らが心配するほど老朽化が進行。氏子総代らが建て替えを検討していた。
 新たな鳥居は、地元の山から切り出したヒノキを使用。地上から笠木までの高さが3・6㍍で、柱と柱までの幅が2・5㍍。継手や仕口といった木材の加工などは、地元大工の菊地芳宗棟梁(64)と健太脇棟梁(25)の親子が腕を振るった。
 建て替え作業には、地域住民や氏子総代ら18人が参加。古い鳥居を撤去後、新しい鳥居を組み立て、立ち上げた。終了後は、全員で「直会」を行い、鳥居建立を祝った。
 氏子の一人で、前回の鳥居建立にも携わった地元の熊谷亨さん(67)は「大王杉へは鳥居をくぐらないと行けないが、これからは安心して見に行けると思う。大王杉のあとは、神社をお参りしてくれるとありがたい」と笑顔で話していた。