ゴールデンウイーク、各地で行楽客呼び込む/気仙

▲ 好天のもとで華やかな祭り絵巻が繰り広げられた盛町の天照御祖神社式年大祭=大船渡市

地域の魅力や復興発信、雨で客足などに影響も

 4月28日〜今月6日まで、最大9連休となったゴールデンウイーク。気仙各地では地域資源の魅力や復興に向かう姿を発信する各種催しが開かれ、地元内外からの行楽客らを呼び込んだ。大船渡、陸前高田両市では中心市街地の商業施設が開業1周年を迎え、節目の感謝を示すイベントも実施。期間中は大きな事故、事件はなかったが、天候は後半に雨の日もあり、客足や売り上げへの影響もみられた。

 

さらなる充実で市街地に活気/大船渡市

 

 大船渡市では、五葉山の山開きや碁石海岸観光まつり、鯉のぼりこどものつどいなど恒例の催しが行われ、家族連れや観光客らが来訪。大船渡町の大船渡駅周辺地区では第3期まちびらきや商業施設の開業1周年記念イベントが催され、さらなる充実が図られた市街地に活気が生まれた。
 同駅周辺地区内では4月28日、市防災観光交流センターの落成などを記念した第3期まちびらきを実施。同日からは、おおふなと夢商店街協同組合と㈱キャッセン大船渡の各商業施設でオープン1周年を祝うイベントやセールなどが行われ、買い物、飲食を兼ねて催しを楽しむ人々の姿が目立った。
 同29、30の両日には、盛町に鎮座する天照御祖神社の式年大祭が挙行され、多くの見物客を前に、神輿や曲録の行列、8祭組による余興などが繰り広げられた。
 今月4、5日には、末崎町で碁石海岸観光まつりが開かれた。初日は雨の影響などで内容変更もあったが、県内外からの観光客らが大船渡の魅力や食を満喫した。主催者によると、来場者数は初日が約7000人、2日目は約1万2000人の計約1万9000人。降雨が響き、好調だった昨年の3万人を大きく下回った。
 三陸町の三陸ふるさと振興㈱が運営する道の駅さんりくでは4月28日から9日間、「GW(ゴールデンウイーク)さんふる祭り」を開催。県産生ウニなどの売れ行きが好調で、行楽客らの人気を博した。期間中の売り上げは前年と比べてほぼ横ばいとなったが、同駅では昨年の好天や現在実施中のトイレ工事による駐車場の縮小などを踏まえ、「健闘したといえそう」と分析している。

 

市外からの来訪全体に減少傾向/陸前高田市

 

臨時観光案内窓口の開設、蒸しガキの販売などでにぎわった一本松茶屋だが、昨年より来訪者は減少=陸前高田市

 陸前高田市では連休中、高田町の大型商業施設「アバッセたかた」の開業1周年記念イベントが繰り広げられ、隣接する「まちなか広場」などへの人出と合わせ、家族連れや帰省客でにぎわった。
 アバッセ専門店街を運営する高田松原商業開発協同組合によると、期間中のレジ通過者数は集計中だが、昨年の開業時と比べて大幅な減少が見込まれ、購買意欲をどう刺激するかが課題とした。
 また、土産品などを扱う気仙町の一本松茶屋では、市と観光に携わる市内団体などが屋外に「臨時観光案内窓口」を設置。4月28日〜5月5日に、特産品の販売や観光名所・市街地の案内等を行った。
 昨年の大型連休期間には約7000人が利用した同施設だが、今年の茶屋のレジ通過者は、28日〜6日までの9日間で2916人と激減。臨時窓口に立ったスタッフも「去年と比べて混雑具合が全然違った。客単価も減ったようだ」と、発災からの時間経過による関心の薄れを痛感した様子だった。
 同市観光物産協会を通じた「語り部ガイド」の依頼件数は9日間で29件、利用人数は89人。団体客はなく、人数は昨年より59人、件数は2件減少した。同協会によると、「4、5日に申し込みが集中し、だいぶお断りしてしまった経緯がある。ただ、来訪者自体が減っていることは確か」という。
 小友町の気仙大工左官伝承館では5日に「箱根子どもまつり」を開催。親子らが催しを楽しんだ。一方、箱根山の目玉である全長252㍍のローラーすべり台は、昨年から使用禁止措置が続く。同館は「連休中、すべり台用のマットを借りに来

られた方はたくさんいた。人気ある遊具なので、早く修理してもらいたい」と話している。

 

各施設とも堅調な入り込み/住田町

 

2周年イベントでにぎわった世田米商店街沿いのまち家世田米駅=住田町

 住田町内の観光施設では大型連休に合わせてイベントを組み、旬の食材にちなんだ企画を充実させるなどして誘客。各施設とも堅調な入り込みで推移した。
 道の駅種山ケ原ぽらんを運営する住田観光開発㈱によると、4月28日〜5月6日の9日間で9381人が来訪。曜日配列が良く、好天続きだった前年を867人下回った。
 同社では「連休の前半は天候に恵まれて暖かい日が続き、例年を上回る入り込み数となった。連休の後半は雨続きで、低調だった」と分析。期間中最も多かったのは、午後から晴れ間がのぞいた5日で、1740人だった。
 ぽらんでは4月29日に「感謝祭」、5月3〜5日には「春の種山まつり」を開催。好天に恵まれた29日に前年を15%上回る入り込み数となったほか、産直関係の売り上げも好調に推移した。
 上有住の滝観洞は、同社調べによる9日間の来訪者は1404人と、前年を66人下回った。「滝に鯉(恋)まつり」が行われた4日は雨で寒い一日だったものの、期間中最高の342人が訪れた。
 5日の『こどもの日』には入洞無料サービスも実施し、来訪者は300人を突破。連休最後の6日も228人が訪れ、後半の盛況ぶりが目立った形となった。
 世田米商店街では4月29日、住民交流拠点施設・まち家世田米駅が2周年記念イベントを開催。フリーマーケットや屋外での軽食販売が好評を博し、町内外から約450人が訪れた。連休最後の6日に行われた「春の八日町市日」は、地域住民に加え気仙両市からの買物客も多く、例年以上の活気に包まれた。